悪魔のストーンアート
タイトル:悪魔のストーンアート
ここは宇宙の果て・・辺境の惑星にあるのどかな村。
どこもかしこも縞々模様の宇宙人:ダダが住む平和な星。
今日もダダおじいちゃんにお話を聞かせてもらう時間が来ました。
小ダダ:ねぇ、ダダおじいちゃん。
ダダおじいちゃん:おっ、今日も来たねぇ
小ダダ:ウルトラマンを精神的に攻撃した宇宙人がいたって本当?
ダダおじいちゃん:そうだなぁ・・・デビロンって知ってるかい?
小ダダ:あっ!知ってる知ってる・・・なかなか奇抜な格好した緑色のでしょ?
ダダおじいちゃん:覚え方がアグレッシブになってきたのぉ・・・あいつはウルトラマン80に精神攻撃を使ったんじゃ
小ダダ:ウルトラ一族ってやっぱり精神も頑丈なの?
ダダおじいちゃん:かなり危ないところまで攻め込まれたが、80は気力で乗り切ったんだ
小ダダ:へぇ~・・・じゃあさ、じゃあさ、もっとデビロンが上手だったらどうなったの???
ダダおじいちゃん:そうだねぇ・・・今日はそれをお話しようか
小ダダ:わぁ~い
ダダおじいちゃん:あれはデビロンから80が人質を解放したところから始まった・・・
宇宙の悪魔の異名を取るテレパシー怪獣デビロン・・・この招かれざる客は綺麗なオブジェの姿で地球へと侵入してきたのだった。
美術館に飾られてもなんら不思議のないその”スノーアート”と称された結晶体は、見るものを楽しませるそんな素敵なものではなかった。
その昔、宇宙の星々を崩壊させ続けていたこの悪魔を封じ込めるのに使われた・・・そう言うならば棺のようなものだった。
確かに、この封印さえ解けなければ綺麗なオブジェとして見られていたかもしれない・・・。
しかし、この平和であり続けたいという願いは簡単に破られ、この封印は解き放たれ悪魔が地球へと解放されてしまったのだ。
人質をとりながら巨大化したその体で街を破壊し始めていたのだ。
デビロンを食い止めるべく現れた80も人質がいるとなると手が出せない・・・。
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しかし、街をこのまま破壊させ続けるわけにもいかない。
弱点である真空状態を作り出しデビロンから人質を奪い返すことに成功した80だったが、今度は次の寄生先として80が選ばれたのだった。
80:くっ・・・くそっ・・・で、出て行くんだデビロン
デビロン:出て行く?笑わせるな・・お前が私の宿主を奪ったのではないか・・その代償は払ってもらうぞ!80
80:ひ、卑怯だぞ・・・正々堂々戦え!
デビロン:もう手遅れだ・・お前の体は俺のものだ・・・ほら、右足・・・次は左足・・・お前の体は俺の意のままじゃないか
80:・・?!・・・そ、そんなことは・・・ない(ま、まさか・・・いや、まだ乗っ取られてはいないはず・・・)
体の中で争い合う80とデビロン。
しかし、格闘戦なら80が有利だったであろうが、精神での戦いでは”宇宙の悪魔”が1枚上手のようだった。
デビロンは80に体の動きを予言し、自分の言うとおりに動いていると言ってのけたのだ。
しかし、これは予言でも何でもない、80が体を動かす時に生じる電気刺激を読み取って、その体の部分をいち早く告げただけなのである。
名高い悪魔なだけに、場数の多さはお墨付きなのである。電気信号からその後の動きなどはある程度予想がつく・・・この予言は高確率な予想なのである。
慣れない精神戦で冷静さを欠いている80はそのデビロンの予言が本当に当たってしまったように思えていたのだ。
そう、これがデビロンが”悪魔”と呼ばれていた理由の1つである。
デビロン:左手・・・左足・・・頭を振ろうか・・・くくくく・・・・
80:や、やめろっ!・・こ、これは・・わ、わたしの意思だ!(な、何故・・・あいつは私の動きが読める・・・?)
デビロン:右手と左手で頭を抑えてやろう・・・ほら、わからないのだろう?何でわたしがお前の動きを読めるのか
80:くっ・・・・
デビロン:読んでいるのではない・・・もう、お前の体ではないんだから・・・自分の目で見てみるといい・・・
80:そ、そんなわけ・・
「自分の体はすでに乗っ取られている」
その言葉に動揺する80・・しかし、敵が言うとおりに体が動いているのは紛れもない事実だった・・・。
「自分の目で確かめる」
確かめて見たい・・・そう思った80はふと、側にあるガラス張りのビルに意識が向いた。
その意識の移動を見逃すデビロンではなかった。
デビロン:ほら、そこのビルまで移動させてやるよ・・・
80:う、うるさいっ!・・だ、だまれっ!
デビロン:ちゃんと歩いてビルまで行けるように体に指示をだしてやっているというのに、感謝してもらいたいくらいだ
80:(本当に体は・・・?!・・・いや、弱気になってはいけない・・・こいつの思うつぼだ・・・まずは)
デビロン:足から見ていくといい
80:・・・?!・・・・(わ、わたしが言う前に足を・・・ど、どういうことだ?)
デビロン:ほら、ちゃんと前を見ろ、自分が言うより先に足に意識を向けられたことに驚く暇はないぞ
80:・・・・?!・・・なっ・・・なんだ・・・これは・・・
ビルのガラスに反射して映った姿は、鍛え上げられた銀と赤のボディに精悍な顔立ちの80の姿ではなく、宇宙を破壊し尽くす宇宙の悪魔の姿だった。
光の国の戦士の姿など欠片も残っていない・・・そこにいるのは無機質な体からなる悪魔の姿であった。
80:・・・・・(いや、反射させた姿は幻かもしれない・・実際に)
デビロン:手や足を見てみたいんだろう?
80:・・・・・?!・・・・・い、いつの間に・・・
こんなこと、起こるわけがない・・・そう言い聞かせながら自分の手足を見た・・・いや、見ることを意識づけられた80の目に映ったのはやはりあの悪魔の体だった。
手足だけじゃない、自分の腹部や腕なども見てみるが、どこを見てみてもあの輝かしい体はどこにもなく、目を向ける場所が全て忌まわしい悪魔の体に変わっていた。
自分の体を見ることに集中する80をよそに、デビロンは次の段階へとコマを進めていた。
キラキラキラキラ
周りの様子など一切気にする余裕がない80の背後に80を模した石像が出現したのだ。
もちろん、その石像の出現に80が気が付くはずもなく、相変わらず、もとの体が残っている部分はないのかを探し続けていた。
しかし、何をやっても無駄なのである・・・視覚をデビロンに支配されてしまい、見るもの全ての情報を操作されてしまっているのだから。
ビルに映った体も、実際に自分で見た体も全て本来の80の体であるが、デビロンの体に変えられたものだと認識させられているのだ。
同じようにして、ビルに石像が反射してもそれを目でとられることができないのだ。
音も触覚も全てはデビロンの思うがまま・・・・知らぬ間に80はデビロンの罠に幾重にもかけられてしまっているのだった。
右に意識が集中すれば左を支配し、その左に意識がいけば右を支配し・・・そうやって五感の全ても意識も支配されていく・・・宇宙の悪魔の常套手段だった。
デビロン:いつの間に?何を言っている?この体は俺のもの・・・お前の体はそこにあるじゃないか
80:・・・・?!・・・・こ、これは・・・
デビロン:お前の体さ・・・・
デビロンに意識を完全に操作されつつある80は悪魔の言うとおりに背後にある石像に意識を向けた。
「お前の体」 悪魔がそう言ったその石像は自分がずっと探していたあの体なのである。
光の国の戦士として地球を守っていたあの逞しい体・・・しかし、その体は完全な石になりカラータイマーも石に変わっている状態だった。
80:わ、わたしの体・・?!・・じゃあ、今のこの体は・・・
デビロン:だから、何度言わせるのだ?これは俺の体だと言ってるじゃないか
80:いや、そんなはずは・・・お前がわたしを乗っ取ろうと
デビロン:これがお前の体なのだとしたら、どうしてそこにお前の体があるんだ?
80:・・・・・・・
デビロン:それに、今までここに至るまでだってわたしの言うとおりに体は動いていたじゃないか?違うのか?
80:・・・・・し、しかし・・・
デビロン:自分の目で確認したのをもう忘れたのか?
自分の体を乗っ取ろうとしたデビロンのことを忘れたわけではなかった。
しかし、そのことを考えようとすると巧妙に仕組まれた証拠を突きつけられて反論できない80。
「何故、自分はデビロンの体にいるのか?」を考える前に「あの体が自分の体だ」と考えるように仕向けられてしまう。
そして、ついに・・・・
80:・・・・・・(も、もしかしたら・・・あれが・・・・)
デビロン:(ついに堕ちたか・・・・)
80:・・・・・・(わたしの体なのかもしれない・・・・・)
デビロン:さようならだ、80
80:・・・?!・・・・ぐっ・・・ぐわぁぁぁぁぁぁ・・・・・
自分の体はあの石像かもしれない・・・そう考えてしまった瞬間、デビロンの力により80の魂は石像に封じ込められてしまった。
デビロンはこの時を待っていたのだ。
自分自身が「あの石像が自分の体」と認識することで魂を捕捉し封印することが出来る・・・その瞬間のために今まで80の精神を操作していたのだ。
今、80が封印されているこの石像は80を模したただの石像ではないのだ・・・デビロンの用意した棺ともいえる石像だった。
自分が施されていたように獲物の魂を封じ込める・・・彼の武器であり弱点でもあるこの方法に80もしとめられてしまった。
80:な、なんだ、これ・・・ど、どうなってる・・・?!・・・・
デビロン:どうなってるも何も、自分で思ったんだろう?あれが自分の体かもしれないって
80:そ、その姿・・・・ど、どういう・・・
デビロン:どういう?簡単さ・・・その石像はお前じゃない・・・この体がお前の体だったんだ・・・
80:し、しかし
デビロン:動きを先読みし、視覚を支配した・・・頭のいいお前ならこれでカラクリがわかったかな?
80:・・・・?!・・・くそっ・・・わたしの体をどうするつもりだ!!
デビロン:安心しろ、お前の封印はわたし以外には解けない。わたしはこの体で宇宙を破壊し尽くすことにする
80:・・・そ、そんな・・・・・
デビロン:まかせておけ、お前の故郷もちゃんと破壊してやるからな
80:・・・だせっ!・・ここから出せっ!・・・・くそっ・・・くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
デビロン:では、お礼代わりにこの星を破壊することにしようか
80:やめろっ!やめるんだ!・・・・やめろぉぉぉぉぉぉ・・・・・・
石像に封印された80の目の前で街を破壊し始めるデビロン。
しかし、この事実を知らないものは80が街を破壊していると思うに違いない・・・いや、80の体が破壊していることには変わりないのだ。
封印された魂だけの存在になった80がどれだけ叫ぼうとも外には何も聞こえず、ついには地球も最期の日を迎えてしまった。
何も残されていない荒れ果てた星に1体だけ石像が残されたのだった。
ダダおじいちゃん:どうだい?
小ダダ:なるほどねぇ
ダダおじいちゃん:おじいちゃんも同じくらい口が上手いんだぞ!
小ダダ:作戦も練れるし、戦ったら強いし、口も上手い・・・おじいちゃんは無敵だね
ダダおじいちゃん:はははははは・・ありがとう
小ダダ:僕もおじいちゃんみたいになってウルトラマンをやっつけるね!
ダダおじいちゃん:それは楽しみだ!次のお話は次回にね
小ダダ:はぁ~い
これは平和なダダの村での空想のお話・・・そう、空想の
ここは宇宙の果て・・辺境の惑星にあるのどかな村。
どこもかしこも縞々模様の宇宙人:ダダが住む平和な星。
今日もダダおじいちゃんにお話を聞かせてもらう時間が来ました。
小ダダ:ねぇ、ダダおじいちゃん。
ダダおじいちゃん:おっ、今日も来たねぇ
小ダダ:ウルトラマンを精神的に攻撃した宇宙人がいたって本当?
ダダおじいちゃん:そうだなぁ・・・デビロンって知ってるかい?
小ダダ:あっ!知ってる知ってる・・・なかなか奇抜な格好した緑色のでしょ?
ダダおじいちゃん:覚え方がアグレッシブになってきたのぉ・・・あいつはウルトラマン80に精神攻撃を使ったんじゃ
小ダダ:ウルトラ一族ってやっぱり精神も頑丈なの?
ダダおじいちゃん:かなり危ないところまで攻め込まれたが、80は気力で乗り切ったんだ
小ダダ:へぇ~・・・じゃあさ、じゃあさ、もっとデビロンが上手だったらどうなったの???
ダダおじいちゃん:そうだねぇ・・・今日はそれをお話しようか
小ダダ:わぁ~い
ダダおじいちゃん:あれはデビロンから80が人質を解放したところから始まった・・・
宇宙の悪魔の異名を取るテレパシー怪獣デビロン・・・この招かれざる客は綺麗なオブジェの姿で地球へと侵入してきたのだった。
美術館に飾られてもなんら不思議のないその”スノーアート”と称された結晶体は、見るものを楽しませるそんな素敵なものではなかった。
その昔、宇宙の星々を崩壊させ続けていたこの悪魔を封じ込めるのに使われた・・・そう言うならば棺のようなものだった。
確かに、この封印さえ解けなければ綺麗なオブジェとして見られていたかもしれない・・・。
しかし、この平和であり続けたいという願いは簡単に破られ、この封印は解き放たれ悪魔が地球へと解放されてしまったのだ。
人質をとりながら巨大化したその体で街を破壊し始めていたのだ。
デビロンを食い止めるべく現れた80も人質がいるとなると手が出せない・・・。

しかし、街をこのまま破壊させ続けるわけにもいかない。
弱点である真空状態を作り出しデビロンから人質を奪い返すことに成功した80だったが、今度は次の寄生先として80が選ばれたのだった。
80:くっ・・・くそっ・・・で、出て行くんだデビロン
デビロン:出て行く?笑わせるな・・お前が私の宿主を奪ったのではないか・・その代償は払ってもらうぞ!80
80:ひ、卑怯だぞ・・・正々堂々戦え!
デビロン:もう手遅れだ・・お前の体は俺のものだ・・・ほら、右足・・・次は左足・・・お前の体は俺の意のままじゃないか
80:・・?!・・・そ、そんなことは・・・ない(ま、まさか・・・いや、まだ乗っ取られてはいないはず・・・)
体の中で争い合う80とデビロン。
しかし、格闘戦なら80が有利だったであろうが、精神での戦いでは”宇宙の悪魔”が1枚上手のようだった。
デビロンは80に体の動きを予言し、自分の言うとおりに動いていると言ってのけたのだ。
しかし、これは予言でも何でもない、80が体を動かす時に生じる電気刺激を読み取って、その体の部分をいち早く告げただけなのである。
名高い悪魔なだけに、場数の多さはお墨付きなのである。電気信号からその後の動きなどはある程度予想がつく・・・この予言は高確率な予想なのである。
慣れない精神戦で冷静さを欠いている80はそのデビロンの予言が本当に当たってしまったように思えていたのだ。
そう、これがデビロンが”悪魔”と呼ばれていた理由の1つである。
デビロン:左手・・・左足・・・頭を振ろうか・・・くくくく・・・・
80:や、やめろっ!・・こ、これは・・わ、わたしの意思だ!(な、何故・・・あいつは私の動きが読める・・・?)
デビロン:右手と左手で頭を抑えてやろう・・・ほら、わからないのだろう?何でわたしがお前の動きを読めるのか
80:くっ・・・・
デビロン:読んでいるのではない・・・もう、お前の体ではないんだから・・・自分の目で見てみるといい・・・
80:そ、そんなわけ・・
「自分の体はすでに乗っ取られている」
その言葉に動揺する80・・しかし、敵が言うとおりに体が動いているのは紛れもない事実だった・・・。
「自分の目で確かめる」
確かめて見たい・・・そう思った80はふと、側にあるガラス張りのビルに意識が向いた。
その意識の移動を見逃すデビロンではなかった。
デビロン:ほら、そこのビルまで移動させてやるよ・・・
80:う、うるさいっ!・・だ、だまれっ!
デビロン:ちゃんと歩いてビルまで行けるように体に指示をだしてやっているというのに、感謝してもらいたいくらいだ
80:(本当に体は・・・?!・・・いや、弱気になってはいけない・・・こいつの思うつぼだ・・・まずは)
デビロン:足から見ていくといい
80:・・・?!・・・・(わ、わたしが言う前に足を・・・ど、どういうことだ?)
デビロン:ほら、ちゃんと前を見ろ、自分が言うより先に足に意識を向けられたことに驚く暇はないぞ
80:・・・・?!・・・なっ・・・なんだ・・・これは・・・
ビルのガラスに反射して映った姿は、鍛え上げられた銀と赤のボディに精悍な顔立ちの80の姿ではなく、宇宙を破壊し尽くす宇宙の悪魔の姿だった。
光の国の戦士の姿など欠片も残っていない・・・そこにいるのは無機質な体からなる悪魔の姿であった。
80:・・・・・(いや、反射させた姿は幻かもしれない・・実際に)
デビロン:手や足を見てみたいんだろう?
80:・・・・・?!・・・・・い、いつの間に・・・
こんなこと、起こるわけがない・・・そう言い聞かせながら自分の手足を見た・・・いや、見ることを意識づけられた80の目に映ったのはやはりあの悪魔の体だった。
手足だけじゃない、自分の腹部や腕なども見てみるが、どこを見てみてもあの輝かしい体はどこにもなく、目を向ける場所が全て忌まわしい悪魔の体に変わっていた。
自分の体を見ることに集中する80をよそに、デビロンは次の段階へとコマを進めていた。
キラキラキラキラ
周りの様子など一切気にする余裕がない80の背後に80を模した石像が出現したのだ。
もちろん、その石像の出現に80が気が付くはずもなく、相変わらず、もとの体が残っている部分はないのかを探し続けていた。
しかし、何をやっても無駄なのである・・・視覚をデビロンに支配されてしまい、見るもの全ての情報を操作されてしまっているのだから。
ビルに映った体も、実際に自分で見た体も全て本来の80の体であるが、デビロンの体に変えられたものだと認識させられているのだ。
同じようにして、ビルに石像が反射してもそれを目でとられることができないのだ。
音も触覚も全てはデビロンの思うがまま・・・・知らぬ間に80はデビロンの罠に幾重にもかけられてしまっているのだった。
右に意識が集中すれば左を支配し、その左に意識がいけば右を支配し・・・そうやって五感の全ても意識も支配されていく・・・宇宙の悪魔の常套手段だった。
デビロン:いつの間に?何を言っている?この体は俺のもの・・・お前の体はそこにあるじゃないか
80:・・・・?!・・・・こ、これは・・・
デビロン:お前の体さ・・・・
デビロンに意識を完全に操作されつつある80は悪魔の言うとおりに背後にある石像に意識を向けた。
「お前の体」 悪魔がそう言ったその石像は自分がずっと探していたあの体なのである。
光の国の戦士として地球を守っていたあの逞しい体・・・しかし、その体は完全な石になりカラータイマーも石に変わっている状態だった。
80:わ、わたしの体・・?!・・じゃあ、今のこの体は・・・
デビロン:だから、何度言わせるのだ?これは俺の体だと言ってるじゃないか
80:いや、そんなはずは・・・お前がわたしを乗っ取ろうと
デビロン:これがお前の体なのだとしたら、どうしてそこにお前の体があるんだ?
80:・・・・・・・
デビロン:それに、今までここに至るまでだってわたしの言うとおりに体は動いていたじゃないか?違うのか?
80:・・・・・し、しかし・・・
デビロン:自分の目で確認したのをもう忘れたのか?
自分の体を乗っ取ろうとしたデビロンのことを忘れたわけではなかった。
しかし、そのことを考えようとすると巧妙に仕組まれた証拠を突きつけられて反論できない80。
「何故、自分はデビロンの体にいるのか?」を考える前に「あの体が自分の体だ」と考えるように仕向けられてしまう。
そして、ついに・・・・
80:・・・・・・(も、もしかしたら・・・あれが・・・・)
デビロン:(ついに堕ちたか・・・・)
80:・・・・・・(わたしの体なのかもしれない・・・・・)
デビロン:さようならだ、80
80:・・・?!・・・・ぐっ・・・ぐわぁぁぁぁぁぁ・・・・・
自分の体はあの石像かもしれない・・・そう考えてしまった瞬間、デビロンの力により80の魂は石像に封じ込められてしまった。
デビロンはこの時を待っていたのだ。
自分自身が「あの石像が自分の体」と認識することで魂を捕捉し封印することが出来る・・・その瞬間のために今まで80の精神を操作していたのだ。
今、80が封印されているこの石像は80を模したただの石像ではないのだ・・・デビロンの用意した棺ともいえる石像だった。
自分が施されていたように獲物の魂を封じ込める・・・彼の武器であり弱点でもあるこの方法に80もしとめられてしまった。
80:な、なんだ、これ・・・ど、どうなってる・・・?!・・・・
デビロン:どうなってるも何も、自分で思ったんだろう?あれが自分の体かもしれないって
80:そ、その姿・・・・ど、どういう・・・
デビロン:どういう?簡単さ・・・その石像はお前じゃない・・・この体がお前の体だったんだ・・・
80:し、しかし
デビロン:動きを先読みし、視覚を支配した・・・頭のいいお前ならこれでカラクリがわかったかな?
80:・・・・?!・・・くそっ・・・わたしの体をどうするつもりだ!!
デビロン:安心しろ、お前の封印はわたし以外には解けない。わたしはこの体で宇宙を破壊し尽くすことにする
80:・・・そ、そんな・・・・・
デビロン:まかせておけ、お前の故郷もちゃんと破壊してやるからな
80:・・・だせっ!・・ここから出せっ!・・・・くそっ・・・くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
デビロン:では、お礼代わりにこの星を破壊することにしようか
80:やめろっ!やめるんだ!・・・・やめろぉぉぉぉぉぉ・・・・・・
石像に封印された80の目の前で街を破壊し始めるデビロン。
しかし、この事実を知らないものは80が街を破壊していると思うに違いない・・・いや、80の体が破壊していることには変わりないのだ。
封印された魂だけの存在になった80がどれだけ叫ぼうとも外には何も聞こえず、ついには地球も最期の日を迎えてしまった。
何も残されていない荒れ果てた星に1体だけ石像が残されたのだった。
ダダおじいちゃん:どうだい?
小ダダ:なるほどねぇ
ダダおじいちゃん:おじいちゃんも同じくらい口が上手いんだぞ!
小ダダ:作戦も練れるし、戦ったら強いし、口も上手い・・・おじいちゃんは無敵だね
ダダおじいちゃん:はははははは・・ありがとう
小ダダ:僕もおじいちゃんみたいになってウルトラマンをやっつけるね!
ダダおじいちゃん:それは楽しみだ!次のお話は次回にね
小ダダ:はぁ~い
これは平和なダダの村での空想のお話・・・そう、空想の
驕り 4話:物に変わる刻
第4話:物に変わる刻
エネルギー、体に備わる力、知識、経験、記憶・・・全てが奪い取られてしまった。
体には自由も残っておらず、十字架に沈み込み、動かせる部分など何もなかった。
いや、今の彼には・・・・彼という表現も間違いなのかもしれない・・・・
物として保有されることが宇宙共通の法律に則った裁判で決定したウルトラマンには動く自由など必要ないのかもしれない・・・・。
そして、ついに、最後の処刑が施される時間がきてしまったのだ。
そう、彼が”者から物へと変わる瞬間である”。
ダダ:さぁ・・・最期の時間だ・・・・
ウルトラマン:・・・さ、最期・・・・?
ダダ:あぁ・・・君が物に変わる時間だよ・・・
十字架はダダのデバイスの操作に従い、獲物を取り込んだままで横倒しになった。
そして、部屋の中央に現れた寝台の上に十字架が乗せられ、ウルトラマンは天井しか見ることを許されない状況へと変えられたのだ。
ヌルヌル・・・ヌルヌルヌル・・・
ダラァァァァァァ・・・・・

ウルトラマンを包み込んでいた十字架が突如として液体の様に流動し始め、獲物の捕縛をやめて床の排水溝へと流れていった。
結果として寝台に両腕を広げ、十字の状態のままウルトラマンは寝かされたのである。
ダダ:では、始めますよ
ウルトラマン:・・・こ、これ以上・・・・な、何を・・・・
ダダ:すぐにわかりますよ・・・すぐにね・・・・
ダダは床からせりあがってきた装置を手に取り、ウルトラマンの股間へと装着した。
その装置は2本の管を有しており、1本はウルトラマンの盛り上がった股間へ、もう1本はウルトラマンの両足の付け根の交わる部分・・・人間で言うところの肛門に当たる部分へと伸びていた。
ウルトラマン:・・?!・・・一体・・・何を・・・
ダダ:あなたは標本になると同時に物になるんです
ウルトラマン:・・・・・?
ダダ:あなたは永久に優秀な戦士の父親としてダダの星で利用されるんですよ
ウルトラマン:・・・な、何?!・・・・・そ、そんな・・・・
自分の利用方法を聞き、愕然とするウルトラマン。
しかし、その説明の間もダダは着々と作業を進めていった。
両足の付け根に伸びた管は肛門に該当する部分に装着され、股間に伸びた管は盛り上がった股間を優しく包み込む状態で装着された。
ダダ:まだ、処刑は50%しか終わってませんよ、ウルトラマン
ウルトラマン:・・・こ・・これで・・終わり・・じゃ・・・ない・・・のか?・・・・・

ダダは背後から黒い液体の入った入れ物を取り出し両腕でこね始めた。
その液体を今度は丁寧に丁寧にウルトラマンに塗りこめだしたのだ。
ウルトラマン:・・・?!・・・こ、これは
ダダ:名づけてダダタールです
ウルトラマン:ダ、ダダタール・・・・
ダダ:あなたを物にする液体というわけですね
絶望に歪むウルトラマンの顔を満足そうに眺め、両腕や両足をマッサージする様に液体にまみれさせていった。
体の力を奪われたウルトラマンは言葉を発することもなかなか出来ない状態で体を黒く染められても何一つ抗うことが出来なかった。
ダダの楽しい工作は滞ることなく終わり、アッと言う間に顔とカラータイマー、装置を含めた股間部分以外を黒く染められたウルトラマンがそこにはいた。
ウルトラマン:な、何故・・全身に・・・塗らない・・・・?
ダダ:あなたは生き地獄を味わうんですよ?永久に
ウルトラマン:・・・そ、そういうこと・・・か・・・・

寝台に横たわるウルトラマンは礼儀正しくきょうつけをした状態で動きを止めていた。
幾多の敵を退けてきた四肢は黒く汚され、凛々しかった顔も首と後頭部を黒く染められ銀色に輝く顔だけが残されていた。
紫に輝くカラータイマーもブロンズ像にとってつけた様に残されている。
一番の異様は股間だった。
盛り上がった股間を包み込む装置の部分だけが残され、それ以外は黒く汚し尽くされていた。
肛門に相当する部分を襲う管は黒いオブジェに挿入されている様にさえ見えた。
ウルトラマン:・・・?!・・・はぁ・・・はぁ・・・・
ダダ:これで100%処刑が終了しました
ウルトラマン:な、何を・・んんっ・・・はぁ・・・はぁぁ・・・・んぁぁ・・・
ダダ:あなたから奪った全身の体の力を股間にだけ戻しました
ウルトラマン:・・・?!・・・
ダダ:余計な部分をブロンズにしてから戻せば集約するでしょ?力が
ウルトラマン:・・・そ、そんな・・・・・んぁぁぁ・・・ぐっ・・・・
ダダ:両足の付け根から力が注がれ、種を股間から回収する
ウルトラマン:・・・くそっ・・・ぐっ・・・はぁぁぁ・・・・
ダダ:漏れでた力は栄養剤と興奮剤と共に再び循環させます
ウルトラマン:・・・はぁ・・はぁ・・・た、たす
ダダ:けませんよ?あなたは罪人なんですから
ウルトラマン:・・・くぁぁ・・・んんっ・・・
寝台に横たわるウルトラマンは永久に苦しむ罠に嵌められ、ダダの星の奥深くにしまわれてしまったのだ。
ダダの星のために種を放出し、衰えることがないように力を注がれ続け、生命維持だけのエネルギーで生かされる。
しかし、その体はほとんどがブロンズに変わり機能しない・・・・。
ダダ656号の管理する部屋からはウルトラマンの弱弱しい叫び声が聞こえ続けたという・・。
エネルギー、体に備わる力、知識、経験、記憶・・・全てが奪い取られてしまった。
体には自由も残っておらず、十字架に沈み込み、動かせる部分など何もなかった。
いや、今の彼には・・・・彼という表現も間違いなのかもしれない・・・・
物として保有されることが宇宙共通の法律に則った裁判で決定したウルトラマンには動く自由など必要ないのかもしれない・・・・。
そして、ついに、最後の処刑が施される時間がきてしまったのだ。
そう、彼が”者から物へと変わる瞬間である”。
ダダ:さぁ・・・最期の時間だ・・・・
ウルトラマン:・・・さ、最期・・・・?
ダダ:あぁ・・・君が物に変わる時間だよ・・・
十字架はダダのデバイスの操作に従い、獲物を取り込んだままで横倒しになった。
そして、部屋の中央に現れた寝台の上に十字架が乗せられ、ウルトラマンは天井しか見ることを許されない状況へと変えられたのだ。
ヌルヌル・・・ヌルヌルヌル・・・
ダラァァァァァァ・・・・・

ウルトラマンを包み込んでいた十字架が突如として液体の様に流動し始め、獲物の捕縛をやめて床の排水溝へと流れていった。
結果として寝台に両腕を広げ、十字の状態のままウルトラマンは寝かされたのである。
ダダ:では、始めますよ
ウルトラマン:・・・こ、これ以上・・・・な、何を・・・・
ダダ:すぐにわかりますよ・・・すぐにね・・・・
ダダは床からせりあがってきた装置を手に取り、ウルトラマンの股間へと装着した。
その装置は2本の管を有しており、1本はウルトラマンの盛り上がった股間へ、もう1本はウルトラマンの両足の付け根の交わる部分・・・人間で言うところの肛門に当たる部分へと伸びていた。
ウルトラマン:・・?!・・・一体・・・何を・・・
ダダ:あなたは標本になると同時に物になるんです
ウルトラマン:・・・・・?
ダダ:あなたは永久に優秀な戦士の父親としてダダの星で利用されるんですよ
ウルトラマン:・・・な、何?!・・・・・そ、そんな・・・・
自分の利用方法を聞き、愕然とするウルトラマン。
しかし、その説明の間もダダは着々と作業を進めていった。
両足の付け根に伸びた管は肛門に該当する部分に装着され、股間に伸びた管は盛り上がった股間を優しく包み込む状態で装着された。
ダダ:まだ、処刑は50%しか終わってませんよ、ウルトラマン
ウルトラマン:・・・こ・・これで・・終わり・・じゃ・・・ない・・・のか?・・・・・
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ダダは背後から黒い液体の入った入れ物を取り出し両腕でこね始めた。
その液体を今度は丁寧に丁寧にウルトラマンに塗りこめだしたのだ。
ウルトラマン:・・・?!・・・こ、これは
ダダ:名づけてダダタールです
ウルトラマン:ダ、ダダタール・・・・
ダダ:あなたを物にする液体というわけですね
絶望に歪むウルトラマンの顔を満足そうに眺め、両腕や両足をマッサージする様に液体にまみれさせていった。
体の力を奪われたウルトラマンは言葉を発することもなかなか出来ない状態で体を黒く染められても何一つ抗うことが出来なかった。
ダダの楽しい工作は滞ることなく終わり、アッと言う間に顔とカラータイマー、装置を含めた股間部分以外を黒く染められたウルトラマンがそこにはいた。
ウルトラマン:な、何故・・全身に・・・塗らない・・・・?
ダダ:あなたは生き地獄を味わうんですよ?永久に
ウルトラマン:・・・そ、そういうこと・・・か・・・・
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寝台に横たわるウルトラマンは礼儀正しくきょうつけをした状態で動きを止めていた。
幾多の敵を退けてきた四肢は黒く汚され、凛々しかった顔も首と後頭部を黒く染められ銀色に輝く顔だけが残されていた。
紫に輝くカラータイマーもブロンズ像にとってつけた様に残されている。
一番の異様は股間だった。
盛り上がった股間を包み込む装置の部分だけが残され、それ以外は黒く汚し尽くされていた。
肛門に相当する部分を襲う管は黒いオブジェに挿入されている様にさえ見えた。
ウルトラマン:・・・?!・・・はぁ・・・はぁ・・・・
ダダ:これで100%処刑が終了しました
ウルトラマン:な、何を・・んんっ・・・はぁ・・・はぁぁ・・・・んぁぁ・・・
ダダ:あなたから奪った全身の体の力を股間にだけ戻しました
ウルトラマン:・・・?!・・・
ダダ:余計な部分をブロンズにしてから戻せば集約するでしょ?力が
ウルトラマン:・・・そ、そんな・・・・・んぁぁぁ・・・ぐっ・・・・
ダダ:両足の付け根から力が注がれ、種を股間から回収する
ウルトラマン:・・・くそっ・・・ぐっ・・・はぁぁぁ・・・・
ダダ:漏れでた力は栄養剤と興奮剤と共に再び循環させます
ウルトラマン:・・・はぁ・・はぁ・・・た、たす
ダダ:けませんよ?あなたは罪人なんですから
ウルトラマン:・・・くぁぁ・・・んんっ・・・
寝台に横たわるウルトラマンは永久に苦しむ罠に嵌められ、ダダの星の奥深くにしまわれてしまったのだ。
ダダの星のために種を放出し、衰えることがないように力を注がれ続け、生命維持だけのエネルギーで生かされる。
しかし、その体はほとんどがブロンズに変わり機能しない・・・・。
ダダ656号の管理する部屋からはウルトラマンの弱弱しい叫び声が聞こえ続けたという・・。
身体処理
タイトル:身体処理
ここは宇宙の果て・・辺境の惑星にあるのどかな村。
どこもかしこも縞々模様の宇宙人:ダダが住む平和な星。
今日もダダおじいちゃんにお話を聞かせてもらう時間が来ました。
小ダダ:ねぇ、ダダおじいちゃん。
ダダおじいちゃん:なんだい?
小ダダ:ウルトラマンレオってブラック指令のアジトに拉致されたことがあるって本当?
ダダおじいちゃん:よく勉強しているなぁ・・・本当だよ
小ダダ:ブラック指令ってすごいんだねぇ。他のウルトラ戦士は拉致されたことないでしょ?
ダダおじいちゃん:ブラック指令も凄いが、その部下のブニョっていう宇宙人が賢かったんだよ
小ダダ:拉致されたのに、助かっちゃったの???
ダダおじいちゃん:一度は死んでしまったんだけど、ウルトラキングの奇跡の力で復活したんだよ
小ダダ:ふ~ん。じゃあさぁ、もしもレオが死んだ場所がウルトラキングの力の届かない場所だったらどうなったの?
ダダおじいちゃん:そうだねぇ・・・今日はそれをお話しようか
小ダダ:わぁ~い
ダダおじいちゃん:あれは人質にとられた地球人の代わりにブニョにレオが拉致されたところから始まった・・・・
円盤生物:シルバーブルーメにMACステーションを壊滅され、レオ=おおとりげんと梅田とおるは病院でお世話になった美山家にお世話になっていた。
なおも地球への攻め手を緩めないブラック指令の放つ円盤生物を倒し続けていたレオだったが、今までの力押しではなくずる賢い敵が地球に迫っていた。
レオが美山家に居候していることを突き止めたブニョは、美山家の主:美山咲子を人質に取り、素直に捕まることをレオに強要した。
このままブニョの言うとおりに捕まったら最期だ・・・それだけは間違いなかった。
しかし、ここでブニョの申し出を断れば、いつもお世話になっている美山さんの命もない・・・これも間違いない事実であった。
この選択は迷う余地はなかったのだ・・・・そして、このことはブニョも十分にわかっていることだった。
おおとりげん:・・・・・・んっ!・・・・・
ブニョ:さすが、地球の守護神:ウルトラマンレオだなぁ・・・うけけけけけ・・・・・
一地球人を片手で人質に取り、残った腕で特製の縄を罠にかかった光の国の戦士の両腕に投げつけた。
投げられた縄は意思を持ったように差し出された両腕に巻きつき、きつく拘束していった。
目的のものが計画通りの状態で手に入り、必要なくなった人質を床に投げ捨て、レオを異空間へと拉致していった。
地球への未練を感じ、名残惜しそうに背後を見るも、そんな時間さえも与えてもらえずに外見からは想像も付かない力で捕獲した獲物を連行していった。
トオル達が遅れて乗り込んできた時にはレオ=おおとりげんの姿はそこにはなかった・・・。
そこに残されていたのは、気を失った人質と途中で途切れた緑色の足跡だけだった。
ブニョに連行され地球の守護神が連行された場所は光などはどこにもなく、陰気な空間であった。
外部との物理的な接触が遮断されているらしく、光の戦士であるウルトラマンレオの力を持ってしても何も感じ取ることが出来なかった。
そして、その絶望的な状態でついに宿敵が目の前に現れた・・・・。
ブラック指令:ブニョ・・・そいつは本当に宇宙人なのか?
ブニョ:レオですよっ
ブラック指令:どうしてわかる?
ブニョ:本当ですよっ
今までにてこずって来たウルトラマンレオが数日のうちにひ弱そうな部下の手で連行されてきたのだ。
本当に本物なのか?という思いの他に、自分が今までに打ち破ることが出来なかった敵をこんなやつごときに捕らえられたなんて!という認めたくない気持ちとが半々だったのだ。
そんな自分を疑う上司を信用させるために、ブニョは自らの触角をおおとりげんに触れさせて見せた。
ピコォォォン ピコォォォン
宇宙人かどうかを調べることが出来るブニョの触角が反応したのだ。
これを見たブラック指令は自分が倒せなかった敵をあっさりと捕まえてきたブニョへの悔しさよりも、ついに自分の宿敵を倒すことが出来る喜びに顔はこの上ない笑顔へと変わっていった。
ブニョ:ほら、ね?
ブラック指令:なぁるほど・・確かに宇宙人だ。ふっふっはっはっはっ
ブニョ:さぁ、ブラック指令!宇宙光線で作ったこのロープで縛っているうちに叩っ切ってくださいっ
ブラック指令:よぉぉぉぉし
ブニョ:ウルトラマンレオもこれでおしまいだなぁっ。地球もとうとうブラックスターのものだっ
ブラック指令:ウルトラマンレオ!死ねぇぇぇぇぇぇぇい!ブラァァァァァック!
おおとりげん:おりゃぁぁぁっ!
ブラック指令:やゃ!
ブニョ:あぁ~・・・あぁ~・・・
レオは危うく変身を遂げた。
だが、宇宙ロープで縛られたまま、巨大化はできない。
ブニョ:大丈夫、大丈夫ですよ!このロープはどんな力でも決して切れることはないのですよ
ブラック指令:よぉぉし!では、二人でやっつけてしまおう
ブニョ:やりましょう!やりましょう!レオを身体処理室へと連れて行きましょう!
両腕をねじって見ても、力を入れてみてもロープは全く切れる気配はなかった。
早くしないと事態がもっと悪くなってしまう・・・・本能がそう告げているが、打開策は全く見つからなかった。
そうこうしているうちにブラック指令とブニョにロープを引かれ、とうとう「身体処理室」へと連れ込まれてしまった。
周りを見回しても暗闇が続くだけで壁は見えなかった・・いや、壁なんかあるのかどうかもわからなかった。
自分が隔離されてしまった空間の大きさの把握さえも出来なかった。
サァァァァァァ・・・・・
床を這う白いガス・・・極低温のガスが床を埋め尽くしていた。
ブニョとブラック指令は全身を耐寒処理しており、寒さに苦しむことはなかった。
両腕を縛られ、力を封じられているレオには体にエネルギーを纏うこともできず、弱点である寒さに体は強張っていた。
そんな獲物が足を踏み入れた瞬間、まるで獲物に喰らいつく獣の様にレオの足から急激に体温を奪い出した。
レオの深紅の両足は即座に白く染まり、凍りつき始めていた。
直ぐにでも冷気の漂う場所から逃げ出したい!
しかし、自分をここまで追い込んだ敵はそんなに優しくはなかった。
ぐいぐいロープを引かれ、身体処理室と銘打たれた場所の奥へと連行されていった。
白く染まる部分が徐々に両足を駆け上がり、足の感覚も徐々になくなっていき、歩みも弱々しくなっていった。
ブニョ:うらうらっ!零下100度で冷凍だぁっ!
レオ:・・・くっ・・・
よろよろと歩くレオを力いっぱい殴り倒すブニョ。
これ以上、冷気に触れられたくない気持ちを見透かされたのか、床に這う様な姿勢を強要されてしまった。
予想通り、冷気が全身に噛み付き、体温を急激に奪い始めた。
パリパリッ・・・・キシキシッ・・・・
ブニョ:立てっおらっ! 立てっ、ほらっ! もう一つ!
全身を襲う冷気から逃れるために、ゆっくりと立ち上がろうとするレオを待ちきれないのか、無理やりに立ち上がらせて再び殴る。
蓄積していくダメージに動きが緩慢になるのを待つことが出来ずに無理やり立ち上がらせて再び殴る。
非力なブニョが自分よりも強い相手を好き放題に出来る貴重なチャンスを力一杯満喫しているようだった。
しかし、レオを巧妙に追い詰めたこの宇宙人はただ単に楽しみながら殴っているだけではないようだった・・・。
ガスッ・ベチャ・・・・
ドスッ・ダラァァ・・・
暴行を加えるたびにブニョの手、足から粘液が飛び散りレオにまとわり付いていたのだ。
まとわり付いた液体はレオの体にこびりつき、冷気が体温を奪うのを促進させていた。
拳のはいる顔や胸元、蹴りが入るわき腹や背中に液体は容赦なく乗り移り冷却していった。
ブニョ:はぁっ・・はっくっしょん!うぅ、寒い・・・うりゃぁぁ、うりゃぁぁ
レオ:・・・うぅっ・・・くっ・・・・
ブニョ:お前も長い間、ご苦労だったなぁっ!こんにゃろっ!・・・こんなもんでどうでしょうねぇ?
レオ:あぁ・・・うっ・・あぁっ・・・はっ・・・あぁ・・・
ブニョ:にゃはははははは・・・こにゃろっ!こにゃろっ!
レオ:あぁっ・・・・あぁっ・・・・
止むことのない攻撃にレオの体はあの輝く深紅の肉体から震えるみすぼらしい白い体へと変えられてしまった。
一番最初に冷気に晒された両足はすでに自分のものではないかのような感覚に支配され、ブニョの液体に覆われた上半身や顔も氷の層に覆い尽くされていた。
地球を守ってきた不屈の戦士は氷に包まれ、成す術なく処刑されつつあったのだ。
震える以外の行動が取れず、縛られた両腕を体の前に出し、床に膝を着き動きを止めたレオを無理やり立たせ、身体処理室の中央にある寝台へと横倒しにした。
屈んだ姿勢のまま硬直する体をブニョが体が割れないように伸ばし、意に反して寝台に仰向けで寝る姿勢を強制されてしまった。
自由にならない両腕を腹部の上に乗せ、行儀よく寝台に寝ているレオに許された行動は小刻みに震えることだけだった。
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ブニョ:レオがコチン、コチンとはなっ!まぁぁ、安らかに眠りたまえっ!はぁ、はっくしょん!
さすがに長時間身体処理室にいたため、耐寒処理したブニョでも寒さが染み渡りくしゃみをしてしまった。
そのくしゃみの反動で人間の姿に化けていた変身が解け、本来の姿を晒してしまった。
ブニョ:ぶるるるっ・・・うふふふふふふふふふ・・・ふふふふふふふ・・・
ペタペタ・・・ペタペタ・・・
寝台に横たわる白い死刑囚を楽しそうに粘液に塗れた手のひらで触るブニョ。
あの美しかった赤い体は漏れなく白くなったため、今、レオの体で色がついているのは微かに光る瞳とエネルギーごと凍結しているカラータイマーの青だけだった。
レオの連れ込まれた「身体処理室」・・・この部屋の意味を思い知るのはここからだった。
シュルシュルシュル
レオ:・・・うっ・・・・(な、何を・・・・するんだ・・・)
ブラック指令:やれ、ブニョ!
ブニョの口から伸びる管は迷わずにレオの額にあるランプに接続された。
ランプを包み込み密着した。
エネルギーを奪い取るのかと思いきや、ブニョとブラック指令はエネルギーよりも重要なものを奪い取り始めたのだ。
ピカッ・・・・ビィィィィィィィ・・・・
レオ:・・・あぁっ・・・(まずい・・・・くそっ・・・・)
ブラック指令:よくやった、ブニョ!全てを晒し尽くすのだ!
ブニョが額のランプから吸いだしたのはエネルギーではなく、レオが今までに経験してきたもの・知識・記憶だった。
もちろん、その中には故郷の記憶、セブンから伝え聞いた光の国の話、宇宙を守る戦士達の情報などが含まれていた。
文字通り、全てが凍りついているレオにはどんなに抗おうにもブニョのメモリースキャンを防ぐ手段は何もなかった。
身体処理室の虚空に映し出されたレオの頭の中・・・ブラック指令はその全てを漏れなく記憶し宇宙掌握の作戦に役立てようと企んでいた。
もちろん、ウルトラキングから授かったレオブレスレットの秘密も暴かれてしまったのだ。
記憶を奪われるだけではなかった・・・。
レオ:・・・?!・・・はっ・・・あぁっ・・(な、なんだこれは・・・)
ブニョ:記憶をくれたお礼だ・・・味わうといい・・・ふっふっふっ・・・
ランプに接続された管を通りブニョに移動する光とは別に、暗く紫色の光が管を通りレオの額に降りていった。
その紫色の光はレオの額に降りると額全体に広がり浸透していった。
その時、レオに見せられていたのは正義の戦士としては屈辱的な映像だった。
幾多の敵から攻撃を受けるたびに快楽を感じる自分。
粘着液を浴びせられて自ら体を揉み解し喘ぐ自分。
敵に首を絞められ息を詰め、瀕死の状態にさえも気持ちよさを感じている自分。
そして、今現在、自分が置かれている状態・・・体を冷凍され、好き放題に体をいじられていることに感じている自分。
そんな記憶を植え込まれていたのだ。
いくら否定しようとも、昔からあった記憶として頭が認識しており、次々にブニョの作った擬似記憶が証拠として再生されて否定できなくなっていくのだった。
シュルルルルル・・・・
シュルシュルシュル・・・ピタッ!
次にブニョが狙ったのはレオの体に消費することなく残された膨大なエネルギーだったのだ。
額のランプに接続されていた管を外し、カラータイマーに再接続しエネルギーを奪い始めたのだ。
グイグイ、エネルギーを奪い取るブニョ。
やはり奪い取るだけではなく、管を通りブニョに移動する輝く光とは別に、レオに戻される漆黒のエネルギーがあった。
ブラック指令が円盤生物に与える暗黒のエネルギーを光のエネルギーと交換する形でレオの体に満たしていった。
レオ:・・んっ・・・はっ・・・(くそっ・・・頭がおかしくなりそうだ・・・・?!・・・・)
ブニョ:どうだ?レオ・・・体が火照ってきただろう?ふっふっふっ・・・ほら、もっと卑猥なイメージを浮かべろ・・・氷が解けて動けるぞ!
ブラック指令:意地悪を言うな、ブニョよ。正義の戦士であるレオがそんなことできるわけないだろう。はっはっはっ・・・
レオ:・・・あぁっ・・・・くっ・・・(くそっ・・体が溶けそうだ・・・・くそっ・・・)
フワァァァァァァ・・・・シュゥゥゥゥゥゥ・・・
ブラック指令:レオよ、無駄に快楽を感じない方がいいぞ!お前の体に秘められた力は快楽に合わせて漏れ出し、私達がいただく仕組みになっておる
ブニョ:お前に快楽の制御など出来るかな?ふっふっふっふっ・・
レオ:・・・はっ・・・あぁっ・・・(だ、ダメだ・・火照りを止められない・・・・ち、力が・・抜けていく・・・)
ブラック指令の言葉の通り、レオの体全体からあふれ出す光は一直線にブラック指令の手平に集まり始めた。
光の抜け出した場所では体の火照りにより表面を覆う氷を解かし元の深紅の皮膚を晒していた・・しかし、即座に冷気に体温を奪われ、再び白く封印されてしまうのであった。
このやりとりを体の随所で繰り返し、レオの体からは力は根こそぎ奪われ、ブラック指令の手のひらにはエネルギーが高密度に集まっていた。
レオ:・・・・・・(も、もう・・・だめだ・・・・お、終わりだ・・・・)
ブニョ:ふっふっふっ・・・仕上げだぁ・・・・レオぉ
ブラック指令:残りの処理はまかせたぞ、私は最終段階の準備を外でしておる、ブニョよ
ブニョ:お任せください・・・ご期待の状態に仕上げたいと思います
レオ:・・・・・・(これ以上、一体、何を・・・・・・)
ブラック指令はレオの力、記憶、エネルギーを手にして身体処理室を後にした。
全てを搾取されたレオにはブニョの言った「ご期待の状態」というのが想像出来なかった・・これ以上奪われるものは命しかない・・・。
ここで終われる・・・そう確信していた。
ペタペタ・・・ペタペタ・・・・
ブニョは粘り気のある青銅色の液体を手に纏わせて凍りついたレオの体を撫で回し始めた。
妖しい手つきで触れられた部分には粘液がこびりつき、永久に流れ落ちないのではないか?とさえ思われる速度でレオの体を包み込み床へと流れ落ちた。
両足の先から徐々に徐々に頭部に向かって粘液を纏わせていった。
ダラッ・・・ダラダラッ・・・・
流れ落ちはするものの、表面には分厚い液体の層が残り体を怪しげに汚していった。
レオ:・・あぁっ・・・うっ・・・・(な、なんだこれは・・・・・・も、もう・・・・・助け・・・て・・・)
ブニョ:ふっふっふっ・・・ここでフィニッシュだぁっ
顔を残し、全てが青銅色に汚し尽くされたレオ。
体から流れ落ちる粘液は寝台をつたい、床へと滴り落ちた。
ブニョの手は最期とばかりにレオの顔へと伸びた。
レオの顔をも例外なく青銅色の粘液に包み込まれ、これをもって全身漏れなく粘液を塗りこまれたこととなった。
粘液は極低温の中でも固まることもなく、乾くこともなく獲物を包み続けていた。
そして、レオの凍りついた口の辺りを押さえ、力を込めて完全解凍した
ブニョ:じゃあなぁっ、レオ・・・もう会うことはないだろう・・・
レオ:・・くそっ・・動けない・・・・?!・・・ぐっ・・ぐわぁぁぁぁぁぁぁ・・・・
レオの叫び声に振り向きもせずに身体処理室を出て行くブニョ。
空間の歪みを通りブラックスターの通常空間に戻ったところでブラック指令へと処理の終了を告げた。
ブラック指令:終わったのだな?ブニョよ
ブニョ:はい、完全な状態です、ブラック指令。お望みの状態に仕上がりました。
ブラック指令:そうか、ご苦労!では、空間を閉じるぞ!
ビリビリビリビリ・・・ギュルギュルギュルギュル・・・シュルルルルル・・・・・
カラン・・コロン・・・・
ブラック指令の両手から放たれた力に反応し、レオを残した空間は激しく歪み凝縮していった。
そして、渦巻きどんどん小さくなるその空間は瞬く間に小さなガラス球サイズに圧縮されてしまった。
床に転がったそのオーブを拾い上げ、常に持ち歩いているステッキの先に取り付けた。
そのオーブからはレオの叫び声、喘ぎ声が代わる代わる聞こえてきた・・・ブラック指令の顔は常に笑顔になっていたという。
レオは何を仕掛けられたのか?
それはとても残酷なものだった。
ブニョが最後にレオの体を青銅色の粘液で包み込んだのには2つの目的があった。
1つは、レオの折れかかっている正義の心を再生させて未来永劫、挫けることのない精神状態まで強制的に押し上げたのだ。
もう1つは、頭に植え付けられた卑猥な記憶とカラータイマーから注がれた暗黒のエネルギーで強制的に快楽に溺れる状態を強化させたのだ。
この2つの罠によりレオは時間と共に強化される地獄に堕とされたのだ。
否定できない記憶から快楽に溺れていく・・・気持ちよさを感じて体の中の毒素を強化する。
そして、快楽に負けたことに敗北感を感じ、強制的に維持させられている正義の心が自分を許さずに劣等感を感じる。
発生した劣等感にプラスしてさらなる卑猥な記憶で快楽の深みに嵌っていく・・・・終わることのない負の連鎖に組み込まれてしまったのだ・・・。
宇宙に進出したブラックスターの指揮官:ブラック指令のステッキからは止むことのないレオの声が響いていたという・・・。
ダダおじいちゃん:どうだい?
小ダダ:ブニョってすごいんだねぇ、おじいちゃん
ダダおじいちゃん:おじいちゃんと肩を並べる知将だったのかもしらないなぁ
小ダダ:僕もなれる?おじいちゃんとかブニョみたいな凄い宇宙人に
ダダおじいちゃん:なれるさ、おじいちゃんなんかよりもっと凄いダダの戦士になれる!
小ダダ:本当?嬉しい!また、お話聞かせてね、おじいちゃん
ダダおじいちゃん:そうか、そうか・・また、聞きにおいで!
小ダダ:はぁ~い
これは平和なダダの村での空想のお話・・・そう、空想の
ここは宇宙の果て・・辺境の惑星にあるのどかな村。
どこもかしこも縞々模様の宇宙人:ダダが住む平和な星。
今日もダダおじいちゃんにお話を聞かせてもらう時間が来ました。
小ダダ:ねぇ、ダダおじいちゃん。
ダダおじいちゃん:なんだい?
小ダダ:ウルトラマンレオってブラック指令のアジトに拉致されたことがあるって本当?
ダダおじいちゃん:よく勉強しているなぁ・・・本当だよ
小ダダ:ブラック指令ってすごいんだねぇ。他のウルトラ戦士は拉致されたことないでしょ?
ダダおじいちゃん:ブラック指令も凄いが、その部下のブニョっていう宇宙人が賢かったんだよ
小ダダ:拉致されたのに、助かっちゃったの???
ダダおじいちゃん:一度は死んでしまったんだけど、ウルトラキングの奇跡の力で復活したんだよ
小ダダ:ふ~ん。じゃあさぁ、もしもレオが死んだ場所がウルトラキングの力の届かない場所だったらどうなったの?
ダダおじいちゃん:そうだねぇ・・・今日はそれをお話しようか
小ダダ:わぁ~い
ダダおじいちゃん:あれは人質にとられた地球人の代わりにブニョにレオが拉致されたところから始まった・・・・
円盤生物:シルバーブルーメにMACステーションを壊滅され、レオ=おおとりげんと梅田とおるは病院でお世話になった美山家にお世話になっていた。
なおも地球への攻め手を緩めないブラック指令の放つ円盤生物を倒し続けていたレオだったが、今までの力押しではなくずる賢い敵が地球に迫っていた。
レオが美山家に居候していることを突き止めたブニョは、美山家の主:美山咲子を人質に取り、素直に捕まることをレオに強要した。
このままブニョの言うとおりに捕まったら最期だ・・・それだけは間違いなかった。
しかし、ここでブニョの申し出を断れば、いつもお世話になっている美山さんの命もない・・・これも間違いない事実であった。
この選択は迷う余地はなかったのだ・・・・そして、このことはブニョも十分にわかっていることだった。
おおとりげん:・・・・・・んっ!・・・・・
ブニョ:さすが、地球の守護神:ウルトラマンレオだなぁ・・・うけけけけけ・・・・・
一地球人を片手で人質に取り、残った腕で特製の縄を罠にかかった光の国の戦士の両腕に投げつけた。
投げられた縄は意思を持ったように差し出された両腕に巻きつき、きつく拘束していった。
目的のものが計画通りの状態で手に入り、必要なくなった人質を床に投げ捨て、レオを異空間へと拉致していった。
地球への未練を感じ、名残惜しそうに背後を見るも、そんな時間さえも与えてもらえずに外見からは想像も付かない力で捕獲した獲物を連行していった。
トオル達が遅れて乗り込んできた時にはレオ=おおとりげんの姿はそこにはなかった・・・。
そこに残されていたのは、気を失った人質と途中で途切れた緑色の足跡だけだった。
ブニョに連行され地球の守護神が連行された場所は光などはどこにもなく、陰気な空間であった。
外部との物理的な接触が遮断されているらしく、光の戦士であるウルトラマンレオの力を持ってしても何も感じ取ることが出来なかった。
そして、その絶望的な状態でついに宿敵が目の前に現れた・・・・。
ブラック指令:ブニョ・・・そいつは本当に宇宙人なのか?
ブニョ:レオですよっ
ブラック指令:どうしてわかる?
ブニョ:本当ですよっ
今までにてこずって来たウルトラマンレオが数日のうちにひ弱そうな部下の手で連行されてきたのだ。
本当に本物なのか?という思いの他に、自分が今までに打ち破ることが出来なかった敵をこんなやつごときに捕らえられたなんて!という認めたくない気持ちとが半々だったのだ。
そんな自分を疑う上司を信用させるために、ブニョは自らの触角をおおとりげんに触れさせて見せた。
ピコォォォン ピコォォォン
宇宙人かどうかを調べることが出来るブニョの触角が反応したのだ。
これを見たブラック指令は自分が倒せなかった敵をあっさりと捕まえてきたブニョへの悔しさよりも、ついに自分の宿敵を倒すことが出来る喜びに顔はこの上ない笑顔へと変わっていった。
ブニョ:ほら、ね?
ブラック指令:なぁるほど・・確かに宇宙人だ。ふっふっはっはっはっ
ブニョ:さぁ、ブラック指令!宇宙光線で作ったこのロープで縛っているうちに叩っ切ってくださいっ
ブラック指令:よぉぉぉぉし
ブニョ:ウルトラマンレオもこれでおしまいだなぁっ。地球もとうとうブラックスターのものだっ
ブラック指令:ウルトラマンレオ!死ねぇぇぇぇぇぇぇい!ブラァァァァァック!
おおとりげん:おりゃぁぁぁっ!
ブラック指令:やゃ!
ブニョ:あぁ~・・・あぁ~・・・
レオは危うく変身を遂げた。
だが、宇宙ロープで縛られたまま、巨大化はできない。
ブニョ:大丈夫、大丈夫ですよ!このロープはどんな力でも決して切れることはないのですよ
ブラック指令:よぉぉし!では、二人でやっつけてしまおう
ブニョ:やりましょう!やりましょう!レオを身体処理室へと連れて行きましょう!
両腕をねじって見ても、力を入れてみてもロープは全く切れる気配はなかった。
早くしないと事態がもっと悪くなってしまう・・・・本能がそう告げているが、打開策は全く見つからなかった。
そうこうしているうちにブラック指令とブニョにロープを引かれ、とうとう「身体処理室」へと連れ込まれてしまった。
周りを見回しても暗闇が続くだけで壁は見えなかった・・いや、壁なんかあるのかどうかもわからなかった。
自分が隔離されてしまった空間の大きさの把握さえも出来なかった。
サァァァァァァ・・・・・
床を這う白いガス・・・極低温のガスが床を埋め尽くしていた。
ブニョとブラック指令は全身を耐寒処理しており、寒さに苦しむことはなかった。
両腕を縛られ、力を封じられているレオには体にエネルギーを纏うこともできず、弱点である寒さに体は強張っていた。
そんな獲物が足を踏み入れた瞬間、まるで獲物に喰らいつく獣の様にレオの足から急激に体温を奪い出した。
レオの深紅の両足は即座に白く染まり、凍りつき始めていた。
直ぐにでも冷気の漂う場所から逃げ出したい!
しかし、自分をここまで追い込んだ敵はそんなに優しくはなかった。
ぐいぐいロープを引かれ、身体処理室と銘打たれた場所の奥へと連行されていった。
白く染まる部分が徐々に両足を駆け上がり、足の感覚も徐々になくなっていき、歩みも弱々しくなっていった。
ブニョ:うらうらっ!零下100度で冷凍だぁっ!
レオ:・・・くっ・・・
よろよろと歩くレオを力いっぱい殴り倒すブニョ。
これ以上、冷気に触れられたくない気持ちを見透かされたのか、床に這う様な姿勢を強要されてしまった。
予想通り、冷気が全身に噛み付き、体温を急激に奪い始めた。
パリパリッ・・・・キシキシッ・・・・
ブニョ:立てっおらっ! 立てっ、ほらっ! もう一つ!
全身を襲う冷気から逃れるために、ゆっくりと立ち上がろうとするレオを待ちきれないのか、無理やりに立ち上がらせて再び殴る。
蓄積していくダメージに動きが緩慢になるのを待つことが出来ずに無理やり立ち上がらせて再び殴る。
非力なブニョが自分よりも強い相手を好き放題に出来る貴重なチャンスを力一杯満喫しているようだった。
しかし、レオを巧妙に追い詰めたこの宇宙人はただ単に楽しみながら殴っているだけではないようだった・・・。
ガスッ・ベチャ・・・・
ドスッ・ダラァァ・・・
暴行を加えるたびにブニョの手、足から粘液が飛び散りレオにまとわり付いていたのだ。
まとわり付いた液体はレオの体にこびりつき、冷気が体温を奪うのを促進させていた。
拳のはいる顔や胸元、蹴りが入るわき腹や背中に液体は容赦なく乗り移り冷却していった。
ブニョ:はぁっ・・はっくっしょん!うぅ、寒い・・・うりゃぁぁ、うりゃぁぁ
レオ:・・・うぅっ・・・くっ・・・・
ブニョ:お前も長い間、ご苦労だったなぁっ!こんにゃろっ!・・・こんなもんでどうでしょうねぇ?
レオ:あぁ・・・うっ・・あぁっ・・・はっ・・・あぁ・・・
ブニョ:にゃはははははは・・・こにゃろっ!こにゃろっ!
レオ:あぁっ・・・・あぁっ・・・・
止むことのない攻撃にレオの体はあの輝く深紅の肉体から震えるみすぼらしい白い体へと変えられてしまった。
一番最初に冷気に晒された両足はすでに自分のものではないかのような感覚に支配され、ブニョの液体に覆われた上半身や顔も氷の層に覆い尽くされていた。
地球を守ってきた不屈の戦士は氷に包まれ、成す術なく処刑されつつあったのだ。
震える以外の行動が取れず、縛られた両腕を体の前に出し、床に膝を着き動きを止めたレオを無理やり立たせ、身体処理室の中央にある寝台へと横倒しにした。
屈んだ姿勢のまま硬直する体をブニョが体が割れないように伸ばし、意に反して寝台に仰向けで寝る姿勢を強制されてしまった。
自由にならない両腕を腹部の上に乗せ、行儀よく寝台に寝ているレオに許された行動は小刻みに震えることだけだった。

ブニョ:レオがコチン、コチンとはなっ!まぁぁ、安らかに眠りたまえっ!はぁ、はっくしょん!
さすがに長時間身体処理室にいたため、耐寒処理したブニョでも寒さが染み渡りくしゃみをしてしまった。
そのくしゃみの反動で人間の姿に化けていた変身が解け、本来の姿を晒してしまった。
ブニョ:ぶるるるっ・・・うふふふふふふふふふ・・・ふふふふふふふ・・・
ペタペタ・・・ペタペタ・・・
寝台に横たわる白い死刑囚を楽しそうに粘液に塗れた手のひらで触るブニョ。
あの美しかった赤い体は漏れなく白くなったため、今、レオの体で色がついているのは微かに光る瞳とエネルギーごと凍結しているカラータイマーの青だけだった。
レオの連れ込まれた「身体処理室」・・・この部屋の意味を思い知るのはここからだった。
シュルシュルシュル
レオ:・・・うっ・・・・(な、何を・・・・するんだ・・・)
ブラック指令:やれ、ブニョ!
ブニョの口から伸びる管は迷わずにレオの額にあるランプに接続された。
ランプを包み込み密着した。
エネルギーを奪い取るのかと思いきや、ブニョとブラック指令はエネルギーよりも重要なものを奪い取り始めたのだ。
ピカッ・・・・ビィィィィィィィ・・・・
レオ:・・・あぁっ・・・(まずい・・・・くそっ・・・・)
ブラック指令:よくやった、ブニョ!全てを晒し尽くすのだ!
ブニョが額のランプから吸いだしたのはエネルギーではなく、レオが今までに経験してきたもの・知識・記憶だった。
もちろん、その中には故郷の記憶、セブンから伝え聞いた光の国の話、宇宙を守る戦士達の情報などが含まれていた。
文字通り、全てが凍りついているレオにはどんなに抗おうにもブニョのメモリースキャンを防ぐ手段は何もなかった。
身体処理室の虚空に映し出されたレオの頭の中・・・ブラック指令はその全てを漏れなく記憶し宇宙掌握の作戦に役立てようと企んでいた。
もちろん、ウルトラキングから授かったレオブレスレットの秘密も暴かれてしまったのだ。
記憶を奪われるだけではなかった・・・。
レオ:・・・?!・・・はっ・・・あぁっ・・(な、なんだこれは・・・)
ブニョ:記憶をくれたお礼だ・・・味わうといい・・・ふっふっふっ・・・
ランプに接続された管を通りブニョに移動する光とは別に、暗く紫色の光が管を通りレオの額に降りていった。
その紫色の光はレオの額に降りると額全体に広がり浸透していった。
その時、レオに見せられていたのは正義の戦士としては屈辱的な映像だった。
幾多の敵から攻撃を受けるたびに快楽を感じる自分。
粘着液を浴びせられて自ら体を揉み解し喘ぐ自分。
敵に首を絞められ息を詰め、瀕死の状態にさえも気持ちよさを感じている自分。
そして、今現在、自分が置かれている状態・・・体を冷凍され、好き放題に体をいじられていることに感じている自分。
そんな記憶を植え込まれていたのだ。
いくら否定しようとも、昔からあった記憶として頭が認識しており、次々にブニョの作った擬似記憶が証拠として再生されて否定できなくなっていくのだった。
シュルルルルル・・・・
シュルシュルシュル・・・ピタッ!
次にブニョが狙ったのはレオの体に消費することなく残された膨大なエネルギーだったのだ。
額のランプに接続されていた管を外し、カラータイマーに再接続しエネルギーを奪い始めたのだ。
グイグイ、エネルギーを奪い取るブニョ。
やはり奪い取るだけではなく、管を通りブニョに移動する輝く光とは別に、レオに戻される漆黒のエネルギーがあった。
ブラック指令が円盤生物に与える暗黒のエネルギーを光のエネルギーと交換する形でレオの体に満たしていった。
レオ:・・んっ・・・はっ・・・(くそっ・・・頭がおかしくなりそうだ・・・・?!・・・・)
ブニョ:どうだ?レオ・・・体が火照ってきただろう?ふっふっふっ・・・ほら、もっと卑猥なイメージを浮かべろ・・・氷が解けて動けるぞ!
ブラック指令:意地悪を言うな、ブニョよ。正義の戦士であるレオがそんなことできるわけないだろう。はっはっはっ・・・
レオ:・・・あぁっ・・・・くっ・・・(くそっ・・体が溶けそうだ・・・・くそっ・・・)
フワァァァァァァ・・・・シュゥゥゥゥゥゥ・・・
ブラック指令:レオよ、無駄に快楽を感じない方がいいぞ!お前の体に秘められた力は快楽に合わせて漏れ出し、私達がいただく仕組みになっておる
ブニョ:お前に快楽の制御など出来るかな?ふっふっふっふっ・・
レオ:・・・はっ・・・あぁっ・・・(だ、ダメだ・・火照りを止められない・・・・ち、力が・・抜けていく・・・)
ブラック指令の言葉の通り、レオの体全体からあふれ出す光は一直線にブラック指令の手平に集まり始めた。
光の抜け出した場所では体の火照りにより表面を覆う氷を解かし元の深紅の皮膚を晒していた・・しかし、即座に冷気に体温を奪われ、再び白く封印されてしまうのであった。
このやりとりを体の随所で繰り返し、レオの体からは力は根こそぎ奪われ、ブラック指令の手のひらにはエネルギーが高密度に集まっていた。
レオ:・・・・・・(も、もう・・・だめだ・・・・お、終わりだ・・・・)
ブニョ:ふっふっふっ・・・仕上げだぁ・・・・レオぉ
ブラック指令:残りの処理はまかせたぞ、私は最終段階の準備を外でしておる、ブニョよ
ブニョ:お任せください・・・ご期待の状態に仕上げたいと思います
レオ:・・・・・・(これ以上、一体、何を・・・・・・)
ブラック指令はレオの力、記憶、エネルギーを手にして身体処理室を後にした。
全てを搾取されたレオにはブニョの言った「ご期待の状態」というのが想像出来なかった・・これ以上奪われるものは命しかない・・・。
ここで終われる・・・そう確信していた。
ペタペタ・・・ペタペタ・・・・
ブニョは粘り気のある青銅色の液体を手に纏わせて凍りついたレオの体を撫で回し始めた。
妖しい手つきで触れられた部分には粘液がこびりつき、永久に流れ落ちないのではないか?とさえ思われる速度でレオの体を包み込み床へと流れ落ちた。
両足の先から徐々に徐々に頭部に向かって粘液を纏わせていった。
ダラッ・・・ダラダラッ・・・・
流れ落ちはするものの、表面には分厚い液体の層が残り体を怪しげに汚していった。
レオ:・・あぁっ・・・うっ・・・・(な、なんだこれは・・・・・・も、もう・・・・・助け・・・て・・・)
ブニョ:ふっふっふっ・・・ここでフィニッシュだぁっ
顔を残し、全てが青銅色に汚し尽くされたレオ。
体から流れ落ちる粘液は寝台をつたい、床へと滴り落ちた。
ブニョの手は最期とばかりにレオの顔へと伸びた。
レオの顔をも例外なく青銅色の粘液に包み込まれ、これをもって全身漏れなく粘液を塗りこまれたこととなった。
粘液は極低温の中でも固まることもなく、乾くこともなく獲物を包み続けていた。
そして、レオの凍りついた口の辺りを押さえ、力を込めて完全解凍した
ブニョ:じゃあなぁっ、レオ・・・もう会うことはないだろう・・・
レオ:・・くそっ・・動けない・・・・?!・・・ぐっ・・ぐわぁぁぁぁぁぁぁ・・・・
レオの叫び声に振り向きもせずに身体処理室を出て行くブニョ。
空間の歪みを通りブラックスターの通常空間に戻ったところでブラック指令へと処理の終了を告げた。
ブラック指令:終わったのだな?ブニョよ
ブニョ:はい、完全な状態です、ブラック指令。お望みの状態に仕上がりました。
ブラック指令:そうか、ご苦労!では、空間を閉じるぞ!
ビリビリビリビリ・・・ギュルギュルギュルギュル・・・シュルルルルル・・・・・
カラン・・コロン・・・・
ブラック指令の両手から放たれた力に反応し、レオを残した空間は激しく歪み凝縮していった。
そして、渦巻きどんどん小さくなるその空間は瞬く間に小さなガラス球サイズに圧縮されてしまった。
床に転がったそのオーブを拾い上げ、常に持ち歩いているステッキの先に取り付けた。
そのオーブからはレオの叫び声、喘ぎ声が代わる代わる聞こえてきた・・・ブラック指令の顔は常に笑顔になっていたという。
レオは何を仕掛けられたのか?
それはとても残酷なものだった。
ブニョが最後にレオの体を青銅色の粘液で包み込んだのには2つの目的があった。
1つは、レオの折れかかっている正義の心を再生させて未来永劫、挫けることのない精神状態まで強制的に押し上げたのだ。
もう1つは、頭に植え付けられた卑猥な記憶とカラータイマーから注がれた暗黒のエネルギーで強制的に快楽に溺れる状態を強化させたのだ。
この2つの罠によりレオは時間と共に強化される地獄に堕とされたのだ。
否定できない記憶から快楽に溺れていく・・・気持ちよさを感じて体の中の毒素を強化する。
そして、快楽に負けたことに敗北感を感じ、強制的に維持させられている正義の心が自分を許さずに劣等感を感じる。
発生した劣等感にプラスしてさらなる卑猥な記憶で快楽の深みに嵌っていく・・・・終わることのない負の連鎖に組み込まれてしまったのだ・・・。
宇宙に進出したブラックスターの指揮官:ブラック指令のステッキからは止むことのないレオの声が響いていたという・・・。
ダダおじいちゃん:どうだい?
小ダダ:ブニョってすごいんだねぇ、おじいちゃん
ダダおじいちゃん:おじいちゃんと肩を並べる知将だったのかもしらないなぁ
小ダダ:僕もなれる?おじいちゃんとかブニョみたいな凄い宇宙人に
ダダおじいちゃん:なれるさ、おじいちゃんなんかよりもっと凄いダダの戦士になれる!
小ダダ:本当?嬉しい!また、お話聞かせてね、おじいちゃん
ダダおじいちゃん:そうか、そうか・・また、聞きにおいで!
小ダダ:はぁ~い
これは平和なダダの村での空想のお話・・・そう、空想の
暴走する食欲
タイトル:暴走する食欲
ここは宇宙の果て・・辺境の惑星にあるのどかな村。
どこもかしこも縞々模様の宇宙人:ダダが住む平和な星。
今日もダダおじいちゃんにお話を聞かせてもらう時間が来ました。
小ダダ:ねぇ、ダダおじいちゃん。
ダダおじいちゃん:なんだい?
小ダダ:野菜が大好きな怪獣がいたって本当?
ダダおじいちゃん:あぁいたとも・・・モットクレロンって名前だったなぁ
小ダダ:怪獣=肉食だと思ったのに・・珍しいねぇ・・・誰がやっつけたの?
ダダおじいちゃん:ウルトラの星のプリンス:ウルトラマンタロウが相手をしたんだよ
小ダダ:へぇ~・・その怪獣、強いの?
ダダおじいちゃん:どうだろう・・ベムスターみたいに食欲はすごくあったみたいだけど・・・
小ダダ:食欲かぁ・・・じゃあさぁ、じゃあさぁ、ウルトラの星の王子よりもこの怪獣の食欲が上だったらどうなるの?
ダダおじいちゃん:そうだねぇ・・・今日はそれをお話しようか
小ダダ:わぁ~い
ダダおじいちゃん:あれは、タケシ少年の手に負えなくなったところから始まったんだ・・・・
モットクレロン:もっとぉ~ もっっとぉ~
タロウ:テェェェェェェェイ!
モットクレロン:・・?!・・もっとぉ~ もっっっとぉ~
サッカーボール大の卵から孵ったモットクレロンはタケシ少年の与える野菜を食べ続け、とうとう怪獣と認識されるまでに巨大化してしまったのだ。
ついに少年達の手には負えず、野菜を求めて暴走するモットクレロンをとめる為に東隊員はタロウへと変身したのだった。
街を破壊するつもりはないが、野菜を求めて結果的には街を破壊するモットクレロンを見過ごすことは出来なくなったのだ。
タロウ:と、止まるんだ!
モットクレロン:・・・?・・・もっとぉ~ もっとぉ~
タロウ:・・・?!・・・ぐっ・・・
タロウの呼びかけに野菜をくれるのかと勘違いしたモットクレロンは育ちに育った巨体に有り余る食欲がプラスされたすさまじい威力の突進をしかけてきた。
急な反応に対応することが出来ず、その突進に吹き飛ばされるタロウ。
タロウ:・・・なんて力だ・・・
モットクレロン:・・・も、もっとぉ~
タロウ:すまない・・わたしは野菜はもっていないんだ・・・
モットクレロン:・・・?!・・・・もっとぉ~ もっとぉ~
タロウ:・・・?!・・・お、落ち着くんだ、モットクレロン!
地面に尻餅をつき、その姿のまま説得を続けるタロウの言葉は届くわけもなく、野菜を求めてさらにタロウに詰め寄るモットクレロン。
腹部にまたがり、両肩をしっかりと掴みタロウを揺すり、胸元を叩き、鼻先で顔を殴打した。
タロウを倒したい・・・わけではない、ただ単に野菜が食べたいだけなのである・・・・。
タロウ:す、すまない・・本当に持っていないんだ・・・・
モットクレロン:・・・・・も、もっと・・・もっとぉ・・・・・・
タロウ:そ、そうだ・・・落ち着いて・・・・
モットクレロン:・・・・・・もっっとぉ~・・もっっとぉ~
タロウ:・・?!・・くっ・・やめ、やめるんだ・・・・
タロウの何も持っていないというジェスチャーを見て初めて「野菜を持っていない」ことを理解したモットクレロン。
その純粋な思いは悲しみに染まり、悲しみのどん底から怒りに変わりこみ上げてきたのだ。
シャァァァァァァァァァ
モットクレロンの巨大な口から深い緑色の液体が勢いよく噴き出した。
怒りに満ち満ちたその液体はタロウの深紅の体を余すところなく深く汚していった。
ぬちゃ・・・ねちゃ・・・・
野菜がもらえるという期待を裏切られたモットクレロンの気持ちをくんだのか、タロウの体を汚しただけでは終わらなかった。
液体の付着した場所は漏れなく粘着質に包まれ、体を動かすと糸を引き、光の国のプリンスを惨めな存在におとしめていった。
タロウ:・・くっ・・・くそっ・・・なんだ・・・これは・・・
モットクレロン:もっとぉ~ もっっとぉ~ もっとぉぉぉぉぉぉぉ
タロウ:ま、まずい・・・とめないと・・・・

突進とマウントポジションからの攻撃によるダメージを残し、ゆっくりと体を起こすタロウ。
地面に繋ぎとめるだけの張力はないものの、地面とタロウの体が接している部分は粘着した糸が密集していた。
胸板や肩、太ももや顔にまで、スライムのようなぶよぶよした塊なども付着していた。
野菜を求め進んでいくモットクレロンを惨めな姿のままよろよろと追いかけていくタロウ。
タロウ:ま、待つんだ・・・そっちに行ってはいけない
モットクレロン:・・・・・・・
タロウ:モットクレロン?・・・ど、どうしたんだ?
モットクレロン:もっとぉ~ もっとぉぉぉぉぉぉぉ~
タロウ:・・・?!・・・・い、いけない・・・・
タロウが呼び止めたちょうどその時、モットクレロンの視線の先には捜し求めていたものがあったのだ・・・・。
野菜を貯蓄する倉庫群があったのだ。
野菜の匂いをかぎ分けることが出来るため、その倉庫に大好きな野菜があることは間違いなかった。
倉庫に突進するモットクレロンを止めようとタロウが急いで駆けつける。
しかし、ダメージと体にまとわりつく液体のせいでスピードが上がらずに倉庫を守りきることが出来なかった。
モットクレロン:もっとぉ~ もっとぉぉぉ~
タロウ:く、くそっ・・・?!・・・そ、そんな・・・・
モットクレロン:もっっとぉぉぉぉぉぉ~
倉庫の野菜を食べ、モットクレロンは成長し、体が大きくなっていった。
倉庫にたどり着くまではタロウと同じくらいの大きさだったが、倉庫1つ分の野菜を食べ、タロウの2倍・・いや、3倍を越える大きさになってしまった。
タロウの背後にまだまだ倉庫がある・・・ここにある野菜を全部食べられてしまったら・・・・・。
そんなタロウの心配をよそに、モットクレロンは次の倉庫の屋根をこじ開け、野菜を吸い込み食べ始めた。
タロウ:と、止まるんだ!落ち着け、モットクレロン!
モットクレロン:もっとぉ~ もっっとぉぉぉ~
タロウ:・・?!・・やめ・・やめるん・・・・・・・・・・
モットクレロン:・・・?・・・・もっとぉ~ もっっとぉぉぉぉ~
次々に開けられる倉庫の屋根、そしてタロウに近づいてくるにしたがって体がどんどん大きくなり、ついにタロウさえも見上げないと全体を見渡せないまでに巨大化してしまったのだ。
そして、ついにタロウが守ろうとしていた倉庫に目をつけたモットクレロン。
大きくなりすぎたモットクレロンにはタロウは目に入っていなかったのだ。
いや、目には入っていたが、全身を漏れなく深い緑色に染まった彼は巨大な野菜にしか見えていなかったのかもしれない。
踏み潰される・・・そう思った瞬間、それよりも恐ろしいことが起きてしまった。
目の前の巨大な「野菜」を吸い込もうとより力の入った吸引をしかけるモットクレロン。
倉庫の屋根が剥がれ、タロウの背中に直撃し、その衝撃で地面から体を浮かせてしまったが最期!タロウはモットクレロンの口の中に吸い込まれてしまったのだ。
野菜を吸い込み続けるモットクレロン。
その吸引は途切れることを知らなかった。
吸い込まれてしまったタロウは・・・モットクレロンの胃袋の中であの忌まわしい粘着液溜まりに落ち込み、体をさらに惨めな状態へと貶めていった。
タロウ:・・・ぷはっ・・・ま、まずい・・・どうしたら・・・・
体が完全に液体の中に沈み、浮き上がろうにも透明な層に邪魔されて液体から脱出することが出来ないのである。
粘着具合がさらに上昇した深い悪魔の液体に体をしっかりと掌握され、腕を伸ばそうにも粘着液がそれを許さず元の場所に戻されてしまう。
あの端正な顔も鍛えられた肉体も全て粘液に包み込まれ、粘々と体は汚れ尽くしていた。
ピコン・・ピコン・・・・ピコン・・・・・・
汚れた液体の塊の中、一箇所だけ赤く光る場所があった。
この餌と間違われ飲み込まれた哀れな戦士の命が残り少ないことを告げるものだった。
タロウ:・・・残り時間が少ない・・・・・・くそっ・・・・・・
ウルトラサインで兄弟に助けを求めようとしても、腕を上げることはおろか、動かすことさえも出来ないのだ。
ダラダラ・・・・ヌルヌルヌル・・・・
時間が経つごとに胃袋に粘液が追加されていく・・・・。
未だに液体から抜け出すことも出来ないタロウをより深く沈めていく結果になり、瞬く間に自慢のウルトラホーンさえも見えなくなってしまった。
ダダおじいちゃん:どうだい?
小ダダ:野菜が好きっていうのも極めるとウルトラ戦士も倒せるんだね
ダダおじいちゃん:あぁ、そうだよ・・・おまえも何かを極めるんだぁ
小ダダ:うん、おじいちゃんのお話でいっぱい勉強するね!!!
ダダおじいちゃん:そうか、そうか・・・。また、お話してあげようね
小ダダ:はぁ~い
これは平和なダダの村での空想のお話・・・そう、空想の
ここは宇宙の果て・・辺境の惑星にあるのどかな村。
どこもかしこも縞々模様の宇宙人:ダダが住む平和な星。
今日もダダおじいちゃんにお話を聞かせてもらう時間が来ました。
小ダダ:ねぇ、ダダおじいちゃん。
ダダおじいちゃん:なんだい?
小ダダ:野菜が大好きな怪獣がいたって本当?
ダダおじいちゃん:あぁいたとも・・・モットクレロンって名前だったなぁ
小ダダ:怪獣=肉食だと思ったのに・・珍しいねぇ・・・誰がやっつけたの?
ダダおじいちゃん:ウルトラの星のプリンス:ウルトラマンタロウが相手をしたんだよ
小ダダ:へぇ~・・その怪獣、強いの?
ダダおじいちゃん:どうだろう・・ベムスターみたいに食欲はすごくあったみたいだけど・・・
小ダダ:食欲かぁ・・・じゃあさぁ、じゃあさぁ、ウルトラの星の王子よりもこの怪獣の食欲が上だったらどうなるの?
ダダおじいちゃん:そうだねぇ・・・今日はそれをお話しようか
小ダダ:わぁ~い
ダダおじいちゃん:あれは、タケシ少年の手に負えなくなったところから始まったんだ・・・・
モットクレロン:もっとぉ~ もっっとぉ~
タロウ:テェェェェェェェイ!
モットクレロン:・・?!・・もっとぉ~ もっっっとぉ~
サッカーボール大の卵から孵ったモットクレロンはタケシ少年の与える野菜を食べ続け、とうとう怪獣と認識されるまでに巨大化してしまったのだ。
ついに少年達の手には負えず、野菜を求めて暴走するモットクレロンをとめる為に東隊員はタロウへと変身したのだった。
街を破壊するつもりはないが、野菜を求めて結果的には街を破壊するモットクレロンを見過ごすことは出来なくなったのだ。
タロウ:と、止まるんだ!
モットクレロン:・・・?・・・もっとぉ~ もっとぉ~
タロウ:・・・?!・・・ぐっ・・・
タロウの呼びかけに野菜をくれるのかと勘違いしたモットクレロンは育ちに育った巨体に有り余る食欲がプラスされたすさまじい威力の突進をしかけてきた。
急な反応に対応することが出来ず、その突進に吹き飛ばされるタロウ。
タロウ:・・・なんて力だ・・・
モットクレロン:・・・も、もっとぉ~
タロウ:すまない・・わたしは野菜はもっていないんだ・・・
モットクレロン:・・・?!・・・・もっとぉ~ もっとぉ~
タロウ:・・・?!・・・お、落ち着くんだ、モットクレロン!
地面に尻餅をつき、その姿のまま説得を続けるタロウの言葉は届くわけもなく、野菜を求めてさらにタロウに詰め寄るモットクレロン。
腹部にまたがり、両肩をしっかりと掴みタロウを揺すり、胸元を叩き、鼻先で顔を殴打した。
タロウを倒したい・・・わけではない、ただ単に野菜が食べたいだけなのである・・・・。
タロウ:す、すまない・・本当に持っていないんだ・・・・
モットクレロン:・・・・・も、もっと・・・もっとぉ・・・・・・
タロウ:そ、そうだ・・・落ち着いて・・・・
モットクレロン:・・・・・・もっっとぉ~・・もっっとぉ~
タロウ:・・?!・・くっ・・やめ、やめるんだ・・・・
タロウの何も持っていないというジェスチャーを見て初めて「野菜を持っていない」ことを理解したモットクレロン。
その純粋な思いは悲しみに染まり、悲しみのどん底から怒りに変わりこみ上げてきたのだ。
シャァァァァァァァァァ
モットクレロンの巨大な口から深い緑色の液体が勢いよく噴き出した。
怒りに満ち満ちたその液体はタロウの深紅の体を余すところなく深く汚していった。
ぬちゃ・・・ねちゃ・・・・
野菜がもらえるという期待を裏切られたモットクレロンの気持ちをくんだのか、タロウの体を汚しただけでは終わらなかった。
液体の付着した場所は漏れなく粘着質に包まれ、体を動かすと糸を引き、光の国のプリンスを惨めな存在におとしめていった。
タロウ:・・くっ・・・くそっ・・・なんだ・・・これは・・・
モットクレロン:もっとぉ~ もっっとぉ~ もっとぉぉぉぉぉぉぉ
タロウ:ま、まずい・・・とめないと・・・・

突進とマウントポジションからの攻撃によるダメージを残し、ゆっくりと体を起こすタロウ。
地面に繋ぎとめるだけの張力はないものの、地面とタロウの体が接している部分は粘着した糸が密集していた。
胸板や肩、太ももや顔にまで、スライムのようなぶよぶよした塊なども付着していた。
野菜を求め進んでいくモットクレロンを惨めな姿のままよろよろと追いかけていくタロウ。
タロウ:ま、待つんだ・・・そっちに行ってはいけない
モットクレロン:・・・・・・・
タロウ:モットクレロン?・・・ど、どうしたんだ?
モットクレロン:もっとぉ~ もっとぉぉぉぉぉぉぉ~
タロウ:・・・?!・・・・い、いけない・・・・
タロウが呼び止めたちょうどその時、モットクレロンの視線の先には捜し求めていたものがあったのだ・・・・。
野菜を貯蓄する倉庫群があったのだ。
野菜の匂いをかぎ分けることが出来るため、その倉庫に大好きな野菜があることは間違いなかった。
倉庫に突進するモットクレロンを止めようとタロウが急いで駆けつける。
しかし、ダメージと体にまとわりつく液体のせいでスピードが上がらずに倉庫を守りきることが出来なかった。
モットクレロン:もっとぉ~ もっとぉぉぉ~
タロウ:く、くそっ・・・?!・・・そ、そんな・・・・
モットクレロン:もっっとぉぉぉぉぉぉ~
倉庫の野菜を食べ、モットクレロンは成長し、体が大きくなっていった。
倉庫にたどり着くまではタロウと同じくらいの大きさだったが、倉庫1つ分の野菜を食べ、タロウの2倍・・いや、3倍を越える大きさになってしまった。
タロウの背後にまだまだ倉庫がある・・・ここにある野菜を全部食べられてしまったら・・・・・。
そんなタロウの心配をよそに、モットクレロンは次の倉庫の屋根をこじ開け、野菜を吸い込み食べ始めた。
タロウ:と、止まるんだ!落ち着け、モットクレロン!
モットクレロン:もっとぉ~ もっっとぉぉぉ~
タロウ:・・?!・・やめ・・やめるん・・・・・・・・・・
モットクレロン:・・・?・・・・もっとぉ~ もっっとぉぉぉぉ~
次々に開けられる倉庫の屋根、そしてタロウに近づいてくるにしたがって体がどんどん大きくなり、ついにタロウさえも見上げないと全体を見渡せないまでに巨大化してしまったのだ。
そして、ついにタロウが守ろうとしていた倉庫に目をつけたモットクレロン。
大きくなりすぎたモットクレロンにはタロウは目に入っていなかったのだ。
いや、目には入っていたが、全身を漏れなく深い緑色に染まった彼は巨大な野菜にしか見えていなかったのかもしれない。
踏み潰される・・・そう思った瞬間、それよりも恐ろしいことが起きてしまった。
目の前の巨大な「野菜」を吸い込もうとより力の入った吸引をしかけるモットクレロン。
倉庫の屋根が剥がれ、タロウの背中に直撃し、その衝撃で地面から体を浮かせてしまったが最期!タロウはモットクレロンの口の中に吸い込まれてしまったのだ。
野菜を吸い込み続けるモットクレロン。
その吸引は途切れることを知らなかった。
吸い込まれてしまったタロウは・・・モットクレロンの胃袋の中であの忌まわしい粘着液溜まりに落ち込み、体をさらに惨めな状態へと貶めていった。
タロウ:・・・ぷはっ・・・ま、まずい・・・どうしたら・・・・
体が完全に液体の中に沈み、浮き上がろうにも透明な層に邪魔されて液体から脱出することが出来ないのである。
粘着具合がさらに上昇した深い悪魔の液体に体をしっかりと掌握され、腕を伸ばそうにも粘着液がそれを許さず元の場所に戻されてしまう。
あの端正な顔も鍛えられた肉体も全て粘液に包み込まれ、粘々と体は汚れ尽くしていた。
ピコン・・ピコン・・・・ピコン・・・・・・
汚れた液体の塊の中、一箇所だけ赤く光る場所があった。
この餌と間違われ飲み込まれた哀れな戦士の命が残り少ないことを告げるものだった。
タロウ:・・・残り時間が少ない・・・・・・くそっ・・・・・・
ウルトラサインで兄弟に助けを求めようとしても、腕を上げることはおろか、動かすことさえも出来ないのだ。
ダラダラ・・・・ヌルヌルヌル・・・・
時間が経つごとに胃袋に粘液が追加されていく・・・・。
未だに液体から抜け出すことも出来ないタロウをより深く沈めていく結果になり、瞬く間に自慢のウルトラホーンさえも見えなくなってしまった。
ダダおじいちゃん:どうだい?
小ダダ:野菜が好きっていうのも極めるとウルトラ戦士も倒せるんだね
ダダおじいちゃん:あぁ、そうだよ・・・おまえも何かを極めるんだぁ
小ダダ:うん、おじいちゃんのお話でいっぱい勉強するね!!!
ダダおじいちゃん:そうか、そうか・・・。また、お話してあげようね
小ダダ:はぁ~い
これは平和なダダの村での空想のお話・・・そう、空想の
地底要塞
タイトル:地底要塞
ここは宇宙の果て・・辺境の惑星にあるのどかな村。
どこもかしこも縞々模様の宇宙人:ダダが住む平和な星。
今日もダダおじいちゃんにお話を聞かせてもらう時間が来ました。
小ダダ:ねぇ、ダダおじいちゃん。
ダダおじいちゃん:なんだい?
小ダダ:ウルトラマンエースってゾフィーに助けられたことがあるって本当?
ダダおじいちゃん:そうだなぁ・・・2回くらいあったかなぁ
小ダダ:2回もあるんだぁ
ダダおじいちゃん:あぁ、そうなんだよ。ウルトラ兄弟の長男だからねぇ、ゾフィーは
小ダダ:ゾフィーは凄いんだね
ダダおじいちゃん:そうだよ・・・彼は凄いんだ
小ダダ:ふ~ん。じゃあさぁ、もしもゾフィーがエースを助けなかったらどうなってたの?
ダダおじいちゃん:そうだねぇ・・・今日はそれをお話しようか
小ダダ:わぁ~い
ダダおじいちゃん:あれは初めてエースがゾフィーに助けを求めた時のこと。アリブンタとギロン人を追って地底に侵入したところから始まった・・・
O型の女性ばかりが行方不明になり、その事件の主犯がギロン人とその配下・アリブンタであることがわかったのである。
敵は地底にあり!
その事実を握り、ギロン人とアリブンタを倒すため、北斗と南はエースに変身し、敵の待つ地底へと進んでいった。
エースの降り立った地底空間は大きな空洞であり、不思議な雰囲気の漂う場所であった。
エース:どこだ!ギロン人。ここにいるのはわかっている!出て来い!
ギロン人:どこを見ている、ウルトラマンエース!わたしはここだ!
エース:現れたな、ギロン人!覚悟しろっ!

目と鼻の先に突如として現れたギロン人に向け、エースは大きく振りかぶり必殺のメタリウム光線を放った。
ギロン人:(ふっ・・・たやすい・・・・)
ビィィィィィィィィィ ドカンッ!
ザワザザワザワ・・・・・
エース:な、何っ!
メタリウム光線がギロン人に命中する・・・その瞬間、確かに目の前にいたギロン人に異変が生じた。
灰色の体も、虫の様な顔も全てが影の様に黒く染まり煙の様に消えてしまったのだ。
ギロン人に命中するはずの光線はそのまま通り過ぎ、背後にある壁に命中したのだった。
エース:くっ・・どこに逃げた!
ギィィィィィィィィィィィ
エース:何の音・・・・?!・・・・し、しまった・・・・
ギロン人:ふっはっはっはっはっ・・・仕掛けた罠にかかったな、ウルトラマンエース
エース:き、貴様・・・・
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
エース:な、なんだ、この煙は・・・
ギロン人:我々が地上を制圧するまでの間、そこで君が大人しく待っていられるように準備したのさ
エース:くっ・・・痺れ・・て・いく・・・・・
ギロン人:東京を壊滅させ、我々は地底に要塞を築く。人間どもには手出し出来まい
エース:・・・くっ・・・・・・ぐっ・・・・
ギロン人:ふっふっふ。脱出は不可能だ、ウルトラマンエース。そこで死ね
エース:む、無駄か・・・・このままではTACも東京も全滅してしまう・・・なんとかしなくては・・・・
消えたギロン人を探すために場所を移動したエースは、まんまと罠にかかり棘付きの天井によって閉じ込められてしまった。
棘が大きいために体を貫かれることはないが、その棘の隙間に体を固定され身動きが出来なくなってしまったのだ。
指は動かせるのに腕は動かせない・・・足も頭も動かすことが出来ないのだ。
エース:な、なんとか・・・し・ない・・・・と・・・・
動かせないからだ・・・徐々に体の自由が奪われていく中、兄弟に向けてウルトラサインを放つエース。
ビィィィィィィ・・・カシャン
ビリビリビリビリビリビリ
エース:ぐわぁぁぁぁぁぁ・・・・くっ・・・ウルトラ・・サインが・・・・・
兄弟達へ助けを求める「SOS」のウルトラサイン。
宇宙に向けて飛んでいくはずの光の文字は、ギロン人の仕掛けた2つ目の罠にかかり、日の目を見ることなく分解されてしまったのだ。
それどころか、その罠の発動に合わせて棘に電流が走りエースを苦しめた。
エース:・・・だ・・ダメ・・・だ・・・・・・・・
棘に電流が走り、閉じ込められた空間には体を痺れさせるガスが満たされ事態は最悪の展開を迎えていた。
追加で加えられた電流の攻撃により、もう体の自由は全くなかった。
動かす空間はあっても指一つ動かすことが出来なくなっていた。
あれから、どれだけの時間が経っただろうか・・・・・
地球での活動時間が限られているエースにはその3分に満たない時間さえも長い時間に感じられた。
バリバリ・・・・サァァァァァァァ
エース:・・・こ・・・れは・・・・?
ギロン人:生きているかね?ウルトラマンエース
エース:・・・くっ・・・・そ・・・・
ついに東京もTACも壊滅させてこの地底要塞の主が戻ってきてしまった。
体力もエネルギーも底を尽き、万策尽きた状態で再び敵と対峙してしまった。
そんなエースの消えかけているカラータイマーに地上から漏れる一筋の光が注がれた。
エネルギーが急速に回復していくものの電流やガスの効果で体は依然動かすことが出来ない状態だった。
ギロン人:どうやらエネルギーは元に戻ったようだな
エース:ひ、卑怯・・だぞ・・・・
ギロン人:卑怯で結構さ・・・君はこの地底要塞完成の鍵の1つなのだから
エース:・・・・鍵・・・?
ギロン人:あぁ・・・君がそうなるのも計画の一部さ・・・そうそう・・・
エース:・・・?!・・・・ぶ、分身・・・・
ギロン人:分身?いや、違うよ・・・さっきわたしが君の光線をかわしたトリックの正体はこれだよ
エース:・・・・?!・・・・・・
エースを捕らえ、守護者がいない間に地上を制圧することの他に、地底にエースを閉じ込め続けるのも計画の一部だということを告げられるも、今の彼にはどうすることも出来ない。
わずかにしか動かせない顔を動かし、目の前のギロン人と会話をするエース。彼の目に驚愕の光景が映った。
目の前で突然、ギロン人が何人も何人も出現し始めたのだ。
その後、ギロン人の合図と共に1人を残して他のギロン人が黒い影となり地面に溶けていったのだ。
ギロン人:これが正体さ・・・
エース:・・・・?!・・・・あ、蟻・・・・?
ギロン人:あぁ、そう、蟻だ。アリブンタの眷属が集合してわたしの姿を形作っていたのだ。
エース:・・・どこまでも・・・卑怯な・・・
ギロン人:これを見抜けなかった貴様の落ち度よな・・・どれ、子供達よ・・ご飯の時間だ・・・・
エース:・・・?!・・・わたしを・・・餌に・・・・
ギロン人を形作っていた漆黒の影は動けないエースに襲い掛かったのだ。
意思ある黒い液体と表現しても過言ではない動きを見せる蟻達は、エースの体を這い、隙間なく体に付着していった・・・カラータイマーを除いて。
餌に群がる小さい悪魔達は付着した場所で光のエネルギーを吸い取り始めたのだ。
エース:力が・・・抜けて・・・いく・・・
ギロン人:君の体に溢れる力、無駄なく利用させてもらうとするよ
エース:こ、ここまでか・・・・・くそっ・・・・
ギロン人:ここまで?何を言っているんだ?君はこれからなんだよ・・・君の餌としての人生は・・・
エース:・・・?!・・・この・・太陽・・光は・その・・た・め・・・か・・・・・
ギロン人:いまさら気が付いても何もかもが遅い・・・ふっはっはっはっは・・・・・
エース:ぐっ・・・ぁぁぁぁぁん・・・・・んんっ・・・・・
ギロン人:さぁ、いくぞ、アリブンタ・・・・
近くで黙して控えていた下部と共に餌と化したエースのもとを離れていくギロン人。
残されたのは黒い塊にされ、エネルギーを無限に貪り食われるだけの存在になったエースと、光の国の戦士の力を奪い、成長し続ける悪魔達だけであった。
この後、間もなくして、地上の兵器では全く歯が立たない巨大昆虫が地底より溢れ出し、全世界を制圧することとなった。
その敵の中心地・・・地底要塞では微かな叫び声・・助けを求める哀れなヒーローの声が永劫木霊していたという・・・。
ダダおじいちゃん:どうだい?
小ダダ:エースは敵が消えるとそこに移動して探す癖があるんだね
ダダおじいちゃん:よく、気がついたねぇ。えらいえらい
小ダダ:ギロン人にできたんなら、おじいちゃんにはエース、敵わないね
ダダおじいちゃん:もちろんさ。おじいちゃんの宿敵はウルトラマンだけさ!!
小ダダ:また、お話聞かせてね♪
ダダおじいちゃん:あぁ、またおいで・・・
これは平和なダダの村での空想のお話・・・そう、空想の
ここは宇宙の果て・・辺境の惑星にあるのどかな村。
どこもかしこも縞々模様の宇宙人:ダダが住む平和な星。
今日もダダおじいちゃんにお話を聞かせてもらう時間が来ました。
小ダダ:ねぇ、ダダおじいちゃん。
ダダおじいちゃん:なんだい?
小ダダ:ウルトラマンエースってゾフィーに助けられたことがあるって本当?
ダダおじいちゃん:そうだなぁ・・・2回くらいあったかなぁ
小ダダ:2回もあるんだぁ
ダダおじいちゃん:あぁ、そうなんだよ。ウルトラ兄弟の長男だからねぇ、ゾフィーは
小ダダ:ゾフィーは凄いんだね
ダダおじいちゃん:そうだよ・・・彼は凄いんだ
小ダダ:ふ~ん。じゃあさぁ、もしもゾフィーがエースを助けなかったらどうなってたの?
ダダおじいちゃん:そうだねぇ・・・今日はそれをお話しようか
小ダダ:わぁ~い
ダダおじいちゃん:あれは初めてエースがゾフィーに助けを求めた時のこと。アリブンタとギロン人を追って地底に侵入したところから始まった・・・
O型の女性ばかりが行方不明になり、その事件の主犯がギロン人とその配下・アリブンタであることがわかったのである。
敵は地底にあり!
その事実を握り、ギロン人とアリブンタを倒すため、北斗と南はエースに変身し、敵の待つ地底へと進んでいった。
エースの降り立った地底空間は大きな空洞であり、不思議な雰囲気の漂う場所であった。
エース:どこだ!ギロン人。ここにいるのはわかっている!出て来い!
ギロン人:どこを見ている、ウルトラマンエース!わたしはここだ!
エース:現れたな、ギロン人!覚悟しろっ!

目と鼻の先に突如として現れたギロン人に向け、エースは大きく振りかぶり必殺のメタリウム光線を放った。
ギロン人:(ふっ・・・たやすい・・・・)
ビィィィィィィィィィ ドカンッ!
ザワザザワザワ・・・・・
エース:な、何っ!
メタリウム光線がギロン人に命中する・・・その瞬間、確かに目の前にいたギロン人に異変が生じた。
灰色の体も、虫の様な顔も全てが影の様に黒く染まり煙の様に消えてしまったのだ。
ギロン人に命中するはずの光線はそのまま通り過ぎ、背後にある壁に命中したのだった。
エース:くっ・・どこに逃げた!
ギィィィィィィィィィィィ
エース:何の音・・・・?!・・・・し、しまった・・・・
ギロン人:ふっはっはっはっはっ・・・仕掛けた罠にかかったな、ウルトラマンエース
エース:き、貴様・・・・
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
エース:な、なんだ、この煙は・・・
ギロン人:我々が地上を制圧するまでの間、そこで君が大人しく待っていられるように準備したのさ
エース:くっ・・・痺れ・・て・いく・・・・・
ギロン人:東京を壊滅させ、我々は地底に要塞を築く。人間どもには手出し出来まい
エース:・・・くっ・・・・・・ぐっ・・・・
ギロン人:ふっふっふ。脱出は不可能だ、ウルトラマンエース。そこで死ね
エース:む、無駄か・・・・このままではTACも東京も全滅してしまう・・・なんとかしなくては・・・・
消えたギロン人を探すために場所を移動したエースは、まんまと罠にかかり棘付きの天井によって閉じ込められてしまった。
棘が大きいために体を貫かれることはないが、その棘の隙間に体を固定され身動きが出来なくなってしまったのだ。
指は動かせるのに腕は動かせない・・・足も頭も動かすことが出来ないのだ。
エース:な、なんとか・・・し・ない・・・・と・・・・
動かせないからだ・・・徐々に体の自由が奪われていく中、兄弟に向けてウルトラサインを放つエース。
ビィィィィィィ・・・カシャン
ビリビリビリビリビリビリ
エース:ぐわぁぁぁぁぁぁ・・・・くっ・・・ウルトラ・・サインが・・・・・
兄弟達へ助けを求める「SOS」のウルトラサイン。
宇宙に向けて飛んでいくはずの光の文字は、ギロン人の仕掛けた2つ目の罠にかかり、日の目を見ることなく分解されてしまったのだ。
それどころか、その罠の発動に合わせて棘に電流が走りエースを苦しめた。
エース:・・・だ・・ダメ・・・だ・・・・・・・・
棘に電流が走り、閉じ込められた空間には体を痺れさせるガスが満たされ事態は最悪の展開を迎えていた。
追加で加えられた電流の攻撃により、もう体の自由は全くなかった。
動かす空間はあっても指一つ動かすことが出来なくなっていた。
あれから、どれだけの時間が経っただろうか・・・・・
地球での活動時間が限られているエースにはその3分に満たない時間さえも長い時間に感じられた。
バリバリ・・・・サァァァァァァァ
エース:・・・こ・・・れは・・・・?
ギロン人:生きているかね?ウルトラマンエース
エース:・・・くっ・・・・そ・・・・
ついに東京もTACも壊滅させてこの地底要塞の主が戻ってきてしまった。
体力もエネルギーも底を尽き、万策尽きた状態で再び敵と対峙してしまった。
そんなエースの消えかけているカラータイマーに地上から漏れる一筋の光が注がれた。
エネルギーが急速に回復していくものの電流やガスの効果で体は依然動かすことが出来ない状態だった。
ギロン人:どうやらエネルギーは元に戻ったようだな
エース:ひ、卑怯・・だぞ・・・・
ギロン人:卑怯で結構さ・・・君はこの地底要塞完成の鍵の1つなのだから
エース:・・・・鍵・・・?
ギロン人:あぁ・・・君がそうなるのも計画の一部さ・・・そうそう・・・
エース:・・・?!・・・・ぶ、分身・・・・
ギロン人:分身?いや、違うよ・・・さっきわたしが君の光線をかわしたトリックの正体はこれだよ
エース:・・・・?!・・・・・・
エースを捕らえ、守護者がいない間に地上を制圧することの他に、地底にエースを閉じ込め続けるのも計画の一部だということを告げられるも、今の彼にはどうすることも出来ない。
わずかにしか動かせない顔を動かし、目の前のギロン人と会話をするエース。彼の目に驚愕の光景が映った。
目の前で突然、ギロン人が何人も何人も出現し始めたのだ。
その後、ギロン人の合図と共に1人を残して他のギロン人が黒い影となり地面に溶けていったのだ。
ギロン人:これが正体さ・・・
エース:・・・・?!・・・・あ、蟻・・・・?
ギロン人:あぁ、そう、蟻だ。アリブンタの眷属が集合してわたしの姿を形作っていたのだ。
エース:・・・どこまでも・・・卑怯な・・・
ギロン人:これを見抜けなかった貴様の落ち度よな・・・どれ、子供達よ・・ご飯の時間だ・・・・
エース:・・・?!・・・わたしを・・・餌に・・・・
ギロン人を形作っていた漆黒の影は動けないエースに襲い掛かったのだ。
意思ある黒い液体と表現しても過言ではない動きを見せる蟻達は、エースの体を這い、隙間なく体に付着していった・・・カラータイマーを除いて。
餌に群がる小さい悪魔達は付着した場所で光のエネルギーを吸い取り始めたのだ。
エース:力が・・・抜けて・・・いく・・・
ギロン人:君の体に溢れる力、無駄なく利用させてもらうとするよ
エース:こ、ここまでか・・・・・くそっ・・・・
ギロン人:ここまで?何を言っているんだ?君はこれからなんだよ・・・君の餌としての人生は・・・
エース:・・・?!・・・この・・太陽・・光は・その・・た・め・・・か・・・・・
ギロン人:いまさら気が付いても何もかもが遅い・・・ふっはっはっはっは・・・・・
エース:ぐっ・・・ぁぁぁぁぁん・・・・・んんっ・・・・・
ギロン人:さぁ、いくぞ、アリブンタ・・・・
近くで黙して控えていた下部と共に餌と化したエースのもとを離れていくギロン人。
残されたのは黒い塊にされ、エネルギーを無限に貪り食われるだけの存在になったエースと、光の国の戦士の力を奪い、成長し続ける悪魔達だけであった。
この後、間もなくして、地上の兵器では全く歯が立たない巨大昆虫が地底より溢れ出し、全世界を制圧することとなった。
その敵の中心地・・・地底要塞では微かな叫び声・・助けを求める哀れなヒーローの声が永劫木霊していたという・・・。
ダダおじいちゃん:どうだい?
小ダダ:エースは敵が消えるとそこに移動して探す癖があるんだね
ダダおじいちゃん:よく、気がついたねぇ。えらいえらい
小ダダ:ギロン人にできたんなら、おじいちゃんにはエース、敵わないね
ダダおじいちゃん:もちろんさ。おじいちゃんの宿敵はウルトラマンだけさ!!
小ダダ:また、お話聞かせてね♪
ダダおじいちゃん:あぁ、またおいで・・・
これは平和なダダの村での空想のお話・・・そう、空想の